08/04/03 23:36:41
[東京 3日 ロイター] サムライ債(円建て外債)市場では、欧米投資銀行による大型起債が
相次いでいる。不良債権問題に端を発した信用収縮の再来をにらみ資金枯渇リスク(流動性リスク)
に備えた長期資金確保の取組みを反映しているが、調達コストは上昇中で欧米投資銀行の業務は
縮小均衡せざるを得ないとみられる。他方、メガバンクをはじめとする邦銀は海外向け融資を
伸ばすなど業務を拡張中で、両者の立場の違いが際立っている。
ロイターの集計によれば、2007年度のサムライ債の発行総額は2兆5270億円(金利差額型除く)と
なり、2006年度比で1兆7295億円増、3.2倍に膨らんだ。
6月には、バンク・オブ・アメリカ、米シティグループ、米リーマン・ブラザーズなどが
相次いで発行し、月間ベースで8490億円と過去最高の発行額となった。2兆円を超える規模の
発行は、データ集計開始(1987年)以来、2000年度(2兆7474億円)だけで、昨年度は2度目の
「サムライ債ブーム」 の到来となった。
「昨今の金融環境下では、欧米金融機関は常に格下げリスクにさらされている。格下げ
されれば資金調達にいっそうコストがかかるので、できるだけ長めの資金を確保したいとの
意向が働いたのではないか」と財務省筋は指摘する。
欧米金融当局は、資金の目詰まりが原因で、金融機関や証券会社が破綻するのを回避すべく、
様々な手段を駆使して大量の資金供給を続けている。
サムライ債発行で調達された円資金は、通常スワップ取引を通じてドルやユーロなどに転換
されるので、欧米当局の協調的資金供給に直接参加していない日本も、サムライ債市場を通じて、
欧米金融機関や投資銀行への流動性支援をしていることになる。
ただ、日本が主要国で最も低金利の国とはいえ、資金調達のコストが割安なわけではない。
<資金調達コスト増でも長期資金を確保へ>
サブプライム問題が広く国際金融市場で問題視される以前の昨年6月に、バンク・オブ・
アメリカは、総額2150億円のサムライ債を発行した。当時、同行の5年物変動利付きサムライ債の
発行金利は、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)プラス11ベーシスポイント(bp)、10年物のシニア債
では2.305%(LIBORプラス19bp)だった。当時の同行の格付けは、Aa1(ムーディーズ)、AA(S&P)だ。
バンカメは昨年9月にも5年物グローバル円債2300億円を円を発行しているが、金利はLIBOR
プラス45bpと跳ね上がった。
>>2に続く
▽News Source REUTERS 2008年04月03日 12時59分 JST
URLリンク(jp.reuters.com)