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★小豆島―神戸 航路廃止へ 運休中 原油高で断念
セラヴィ観光汽船(本社・三重県四日市市)は、小豆島―神戸港間の航路を4月13日で廃止する。
同社は老朽化していた高速船「ラ・ベルメール」(193トン)を新造するなどとして昨年11月から
運休していたが、原油高を理由に再開を断念。島と神戸市とを直結する唯一の航路が姿を
消すことになった。島では4月に開幕する「オリーブ百年祭」を控えており、関西方面からの
足がなくなることに、関係者は「島が遠くなるイメージを持たれるのでは」と懸念する。
小豆島―神戸港間は1985年、関西の大手旅客船会社2社が運航を始めたが、利用者の減少で
2000年に廃止。その後、住民からの存続要望を受けて長崎県の船会社が引き継いだものの、
06年4月には同じ理由で手放した。
セラヴィ観光汽船は同年8月、島内の系列ホテルの宿泊客の送迎を中心に再開。神戸港と
小豆島町の坂手港を片道約2時間で結び、1日最大2往復し、1年間で約4万人が利用した。
同社統括本部は「原油高が止まらず採算が取れない。島民から再開を望む声はあったが、
改善は難しいと判断した」としている。
同航路が廃止されると、関西方面は、兵庫県姫路市の姫路港間と大阪市の南港間の2航路しか
存続しなくなる。ところが、南港間は夏休みや年末年始などの計93便の季節限定の運航で、
事実上、1日16便が出ている姫路港間だけとなる。
島と本州、四国を結ぶ航路のうち、利用客が最も多いのは高松港間の約173万人。岡山県の
3港を結ぶ航路が約73万人、姫路港間も約33万人で、島内の観光業者には「航路廃止で
観客数が激減する恐れは低い」と冷静な見方も根強い。
それでも、大阪、神戸からの観光客は姫路港か岡山県の3港を利用するか、高松港に
向かうしかなく、小豆島町の吉岡忠昭副町長は「航路が消えるのは、経済面、観光面で
打撃なのは間違いなく、残念。今後、復活させる方法を探っていきたい」と話す。
(2008年3月20日 読売新聞)
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