08/03/15 07:10:50
インターネット上でファイル交換ソフト「ウィニー」などを通じた映像や音楽の違法コピー
による著作権侵害が深刻化していることを受け、国内のプロバイダー(接続業者)が加盟する
4つの業界団体は、違法コピーのやり取りを繰り返す利用者についてネットへの接続を
強制的に停止することで合意した。
ネット上からの利用者の排除は「通信の秘密」や「通信の自由」に抵触するとして導入に慎重な
意見が強かったが、著作権団体と連携して悪質な利用者を特定し、その利用者に限れば
接続停止や契約解除が可能と判断した。
この措置の導入を決めたのは、「テレコムサービス協会」や「電気通信事業者協会」など4団体。
4団体の加盟社は国内の主要なプロバイダー約1000社で、業界全体で打ち出す初の
「ウィニー対策」となる。来月にも「日本音楽著作権協会」や「コンピュータソフトウェア著作権
協会」など著作権団体と協議会を設立。どの程度、違法コピーをネット上に流出させた場合、
接続を打ち切るかといった具体的な指針作りを始め、年内の実施を目指す。
国内でウィニーなどのファイル交換ソフトを使っているのは推計約175万人にのぼり、
やり取りされるファイルの大半は違法コピーだ。著作権団体がネット上を6時間監視しただけでも、
ゲームソフトなどの違法コピーは355万件(正規のソフトの価格で総額95億円相当)、音楽の
違法ソフトの場合は61万件(同4億4000万円相当)が確認された。この結果から、著作権団体側は、
著作権侵害の被害は少なくとも100億円に上るとみている。
プロバイダー各社も違法コピーが公開されたホームページの削除などの措置を取っているが、
ネット上の違法コピーは膨大で削除では追いつかない。あるプロバイダーが一昨年、ウィニーの
使用を検知すれば通信を切断する措置を導入しようとしたところ、総務省から「ネット上の
やり取りをのぞき見していることになり、『通信の秘密』に抵触しかねない」と指摘されて
断念した経緯もある。
今回の対策は、著作権団体が、違法コピーのやり取りを繰り返している利用者について、
ネット上の「住所」に当たるIPアドレスを専用ソフトで特定したうえでプロバイダーに通知。
プロバイダーは、このIPアドレスをもとに利用者に警告メールを送信し、従わない場合など
には、一定期間の接続停止や利用契約の解除に踏み切る。
この仕組みであれば、総務省も「プロバイダーが利用者の通信内容を直接調べることに
あたらないため問題はない」としている。警察庁もこの協議会に加わる方針で、悪質な利用者の
取り締まりを強化する。
▽News Source YOMIURI ONLINE(2008年3月15日03時01分 読売新聞)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
▽テレコムサービス協会
URLリンク(www.telesa.or.jp)
▽電気通信事業者協会
URLリンク(www.tca.or.jp)