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琵琶湖独特の食文化、フナズシを安価に提供できるようにと、天然ものの激減で高騰している
原料のニゴロブナの本格的な養殖に、滋賀県安土町の女性が成功し、同町の養殖池で初の水揚げを行った。
かつて湖だった水田を掘削し、昔の琵琶湖に近い環境で薬品などを使わず育てた。
水揚げしたフナはコメと混ぜ合わせて塩漬けし、今年11月にフナズシとして完成させ、
「天然もの」の約半値で出荷する予定だ。
農家を継いだ大島正子さん(45)は平成9年、これまで成功例がなかったニゴロブナの養殖に挑戦。
試行錯誤の結果、養殖法のめどが立ち、地元企業の支援を受けて18年に養殖・加工・販売会社
「飯魚(いお)」を立ち上げた。そして今年、ようやく本格的な出荷の態勢が整った。
養殖池の面積は2.7ヘクタール。今年は約1ヘクタール分で育てたニゴロブナの水揚げ作業を実施。
激減の主な原因とされる外来魚やカワウがいない環境のなか、与えられるエサだけでなく、
池に自生するエビやアカムシなどで育っており、大島さんは「かつての天然ものに近い」と話す。
水揚げ作業は、普段は1.6メートルある水深を50センチほどまで下げ、底に集まったニゴロブナを網で捕獲。
フナズシ用の20センチ以上のフナを選別し、いけすに移した。「初の水揚げ」を聞きつけて見物に訪れた
滋賀県モロコ・フナ養殖研究会のメンバーは「ものすごい数だが、どれも生きがいい。土がええんやろな」などと感心しきり。
来週からは、地元の漁師が伝統的な手法でフナを漬ける予定で、2トンの出荷を見込んでいるという。
フナズシ 琵琶湖固有種のニゴロブナを米と塩で漬けて発酵させる熟れずしの一種。
文献などから奈良時代には存在し、現在のスシのルーツとされる。かつて琵琶湖周辺の
家庭ではどこでも漬けていた。護岸工事や外来魚の繁殖などの影響で漁獲高が
昭和40年代の10分の1以下まで減少。大きいものでは1匹分が1万円以上する高級品になっている。
ニゴロブナは昨年、環境省レッドリストの絶滅危惧(きぐ)種に指定された。
網いっぱいのニゴロブナを選別する大島正子さんと徹也さん=滋賀県安土町
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産経新聞
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