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★産業観光で まちおこし
・大人も楽しめる工場見学
地域おこしを狙った産業観光ツアーが人気を集めている。地方の工場や旅行会社などが、
地元の工場見学を目玉に地域の観光を組み合わせているのが特徴だ。
モノ作りの現場を見られる「大人の社会科見学」とも言える産業観光は、地方都市に人を
呼び込む新たな仕掛けとして注目されそうだ。(向野晋)
◇無料ツアー
富山県黒部市の大手ファスナーメーカーのYKK黒部事業所は、東京ドーム41個分にあたる
190万平方メートルと、同社の国内最大の工場だ。YKKは2006年7月から黒部事業所と
富山湾に面した漁村の見学コースをセットにしたバスツアーを実施している。
見学コースの工場建屋は約29万平方メートルと巨大で、マイクロバスがそのまま建屋内に入り、
生産ラインを見学する。このラインでは1日200万本のファスナーが生産されている。工場隣の
展示ホールでは、約20人の参加者がファスナーの意外な用途の説明を聞いて、驚きの声を
上げていた。青函トンネル全長53・85キロ・メートルの天井部分を覆う樹脂製のカバーに
7000本のファスナーが使われていたり、米航空宇宙局(NASA)の宇宙服などにも使われている
実例が紹介されていた。
富山県の石井隆一知事の要請を受けてYKKが始めたこのツアーは無料。宿泊施設は参加者が
確保する必要があるが、今年1月末までに、50~60歳代を中心に1万1400人が訪れた。
このうち、約3割は県外からだ。
◇多様なコース
ものづくりの集積地の中部地方では、財団法人・名古屋観光コンベンションビューローが
地元の旅行会社の名鉄観光サービス、名阪近鉄旅行と手を組んだ。約100か所の工場から
数か所を選んで、毎週火、水曜日に「産業観光バスツアー」(一人6000円、昼食付き)を
実施している。名古屋市内を出発して、愛知県渥美半島の伊良湖周辺を散策するコースなどがある。
視察する工場は、ホンダ鈴鹿製作所、ヤマハグランドピアノ工場など大手から、せんべいやおかきなど
地元の食品工場まで、幅広い。女性が約7割、60歳以上が9割以上を占め、年間2000人の
動員目標は、ほぼ達成できているという。
また、山口県の宇部、美祢、山陽小野田3市でつくる産業観光推進協議会も、産業観光をツアー化する
計画を進めている。瀬戸内海に面した、この地域は古くからセメント産業が発達したが、有名な観光地が
ないため、炭坑の跡地や、太平洋セメント(旧小野田セメント)の工場などを見学する予定だ。
(>>2-5につづく)
ソース:読売新聞(2008年3月5日)
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画像:各地の主な産業観光の取り組み
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