08/03/05 13:09:53
途中何カ所か省略、そして後略としました。ソース全文は
URLリンク(mainichi.jp)
[1/2]
「破産した自治体」として全国から注目を集めた北海道夕張市。昨年3月6日の
財政再建団体入り後、「全国最低の行政サービス、全国最高の市民負担」が高齢化の
進んだ市民生活を根底から揺さぶってきた。「夕張再生の要」と期待された企業誘致も
まったく進まず、人口流出が加速している。そんな夕張を横目に、「第2の夕張」には
なりたくないとなりふり構わぬ歳出カットに取り組む他の自治体。財政破綻(はたん)
から1年たった夕張の今と、「夕張ショック」の余波を追った。
2日朝、夕張市内唯一のプール「市スウィミングセンター」の屋根が崩落しているのが
見つかった。
夕張市内にはほかに4カ所の屋外プールがあったが、財政破綻ですべて閉鎖。
藤倉肇市長は「ここを利用する子供のために修復しなければ」と話すが、財政再建計画外の
巨額の費用を捻出(ねんしゅつ)できる当てはない。
1月30日朝には1人暮らしの伊藤太郎さん(71)が自宅の玄関先で雪に埋まって死亡
しているのが見つかった。前日の昼間に雪かき中、屋根から落ちた雪の下敷きになった
らしい。財政破綻で除雪車の出動回数が減らされたことも高齢者の生活を圧迫している。
4割を超えた高齢化率(人口に占める65歳以上の割合)は全国の市で最も高く、孤独死の
問題は深刻だ。市によると、07年に自宅で死亡した1人暮らしの高齢者は判明して
いるだけで9人。死後3日程たって発見されるケースが多かった。市は「町内会で見回りを
お願いしているが、見回りをするのも高齢者。昔なら近所の住人同士で声を掛け合うことが
できたが……」と窮状を明かす。
人口流出を食い止め、市の税収を増やす切り札に位置づけたはずの企業誘致も破綻後の
成果はゼロ。夕張市沼ノ沢で工業団地を分譲する「中小企業基盤整備機構」(本部・東京)は
昨年4月から全国最安値の1坪(3・3平方メートル)707円まで分譲価格を引き下げた
が、企業側からは「今どき、光回線どころかADSL(非対称デジタル加入者線)もない
なんて」と脆弱(ぜいじゃく)なインフラへの不満を突きつけられた。
市にカネがないことを前提とした自主再建路線が企業誘致の足かせとなり、市の財政をさらに
悪化させる悪循環。08、09年度の借金返済額は10億円強の予定だが、その後は年々
増えて財政再建計画の終わる24年度は30億円近くになる。「破綻のまち」の知名度を
利用した観光PRの動きが活発化してはいるが、企業誘致を起爆剤とした経済振興なしに
この計画達成は不可能。市の将来像は見えないままだ。
続きます。