【コラム】さらば!「豊かな国日本」-桐原涼 [2/4]at BIZPLUS
【コラム】さらば!「豊かな国日本」-桐原涼 [2/4] - 暇つぶし2ch2: ◆Robo.gBH9M @ロボ-7c7c(初代biz+ 支局長)φφφφ ★
08/02/04 23:21:13
>>1の続き
■産業構造の高度化に失敗
振り返れば、1980年代の日本には最先端の産業が集積していた。それが日本の豊かさの源泉で
あったと考えることができる。日本が豊かさを維持するためには、産業構造をさらに高度化し、
最先端のポジションを維持する必要があった。1980年代における最先端産業はエレクトロニクス
ビジネスであった。そして1990年代以降は、金融やITビジネスが最先端産業となった。ところが
日本はこの流れについていけなかった。日本の金融・IT産業は、欧米の先進企業に太刀打ち
できなかったのである。

通常は経済が発展するにしたがい、産業の主役は製造業からサービス業へ、そしてさらに知識集約型
産業へと転換していく。産業構造の転換により製造業の比重が下がると、自国通貨高は産業の
ダメージとならなくなる。むしろ自国通貨高が国内市場の購買力を高めることが、内需産業にとっては
追い風となる。その結果、金融・ITなどの知識集約型産業がさらに発達するという好循環となる。
これが先進国における産業構造高度化のシナリオである。

ところが日本では、産業構造の転換がシナリオ通り進まなかった。日本の製造業は相変わらず
一流だが、次世代の産業は二流のままである。次世代産業の競争力が弱く欧米企業との競争に
勝てないので、日本経済は依然として製造業に依存している。産業構造の高度化どころか、製造業
中心の時代に先祖帰りしている感さえある。

■購買力の衰えと内需産業の試練
現在の日本は、グローバル経済のトレンドから取り残されつつある。そして購買力の衰えは深刻である。
これから日本の内需産業が、厳しい試練を迎えることは容易に想像できる。

内需系企業は、自社のビジネスモデルの抜本的見直しを図る必要がある。今まで多くの内需系企業は、
海外の低コスト国から製品や原料を仕入れ、日本の豊かな消費者に販売するビジネスモデルを
確立してきた。だがこのようなビジネスモデルは、もはや収益を生みにくい。また商品やサービスを
高付加価値化することにより収益を確保する戦略も限界に近づいている。「ワンランク上」の生活を
目指せる消費者は、年々少なくなっているのだ。

■“豊かな国幻想”に見切りをつけよ!
日本人が押しなべて豊かでいられる時代はすでに終わった。今後は消費者間の格差が、ますます
拡大していくであろう。ただし現在の日本の産業構造を前提とした場合、高賃金の職を得られる人は
それほど多くない。グローバル企業で活躍できるような一部の人材はますます豊かになるが、
それ以外の大部分の人は貧しくなっていくと考えざるを得ない。

われわれはそろそろ、「豊かな日本」「豊かな消費者」という幻想を取り払うべきであろう。「沈む日本」
「貧しくなる消費者」という前提で考えたとき、多くの企業や個人は、今までとまったく異なる将来
ヴィジョンを描く必要に迫られる。

「沈む日本」という厳しい環境を生き抜く処方箋は、以下の通りだ。

>>3に続く


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