08/01/24 11:55:18
神戸市の人工島「ポートアイランド」に、臓器移植やがん治療など高度医療に特化した民間の
専門病院を開設する計画が進んでいることが23日、分かった。地元の大手企業をはじめとする
民間企業主導で新病院を運営する財団を今春に設立。来年秋の病院開設をめざす。
高度な医療施設が立地することで、人工島の医療クラスターに厚みが増すと市はみている。
ポートアイランドで「医療産業都市構想」を推進する市は今後、新たな医療クラスター戦略と
して民間の高度専門病院を10病院程度集積する方針。今回の計画は第1号となる。
計画によると、新病院の名称は「神戸国際フロンティアメディカルセンター」。市がポーアイで
整備中の新中央市民病院の隣接地への立地を検討している。市の外郭団体が運営する先端医療
センター長で、京大教授を務めた田中紘一氏(65)が実務にあたる。病床は約100床。医師の
体制は京大出身の医師などを段階的に採用し、数十人規模にする。投資額は総額100億円程度の
見通し。
田中センター長は京大付属病院長を務め、1000例を超す生体肝移植を手がけたことで知られ、
日本移植学会理事長なども歴任した。
生体肝移植のほか高度な技術が必要な膵臓(すいぞう)や小腸の移植、最先端の内視鏡を使った
消化器のがん治療などを中心に手掛ける。健康保険適用外の先端医療にも積極的に取り組み、
国内のほか中東やアジアなど海外からも患者を受け入れる。
資金調達や病院運営を担う財団を今春に設立する予定で、理事長には田中氏が就任する方向。
すでに病院関連事業を展開する商社など全国から複数の企業が出資の意向を示しているという。
計画策定には、神戸商工会議所が協力。事前の事業化調査で「治療技術の高い日本で治療したい
という海外の需要が大きく、事業化は可能と判断した」(田中センター長)という。
欧米では高度医療を売り物に世界各地から患者を受け入れる病院は多い。心臓病治療などの
高い技術で知られる米ミネソタ州の「メイヨークリニック」は中東の王族やアジアの富豪などを
受け入れている。日本国内では「こうした形で常時海外から患者を受け入れる高度専門病院は
これまで例がない」(神戸市)としている。
医療産業都市には理化学研究所など11の研究関連施設と115の医療関連企業が進出し、
国内最大級の医療クラスターに育った。薬や医療器具の販売では実績を積み始めたが、
研究機関や企業が生み出した基礎研究の成果をどうやってビジネスにつなげるかが次の
課題になっている。
研究成果を高度専門病院の臨床応用で活用してもらえば、研究機関などに技術使用料が入り
新たな収益になる可能性がある。
ソースは
URLリンク(www.nikkei.co.jp)
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