08/01/22 15:49:28
看護職員の学校養成所に占める男子の入学比率が高まっている。2006(平成18)年に入学した
学生の男子比率を見ると、看護師養成の3年課程の場合、大学が10.2%、養成所が11.0%、
短大が6.7%。1997(平成9)年と比較すると、いずれも5ポイント前後増加している。
准看護師養成の高等学校衛生看護科・養成所では20.9%(06年)にも達しており、日本医師会
(日医)は「看護職員の男子へのさらなる窓口の開放が必要」としている。
日医の医療関係者対策委員会が今年1月に発表した報告書「看護職員の不足・偏在とその対策に
ついて」で明らかになった。
報告書によると、97年から06年にかけて看護師学校養成所に入学した学生の男子比率は、
3年課程の場合、大学が4.1%から10.2%と6.1ポイント増、養成所が3.6%から11.0%と
7.4ポイント増、短大は2.2%から6.7%と4.5ポイント増で、いずれも増加している。
また、2年課程の場合も、短大が1.7%から6.6%と4.9ポイント増となったほか、高等学校
看護専攻科・養成所は8.6%から15.2%と6.6ポイント増加していた。さらに、高等学校
衛生看護科・准看護師学校養成所の場合、10.3%から20.9%と倍増しており、男子学生の
入学比率が極めて高くなっていることが分かった。01年に始まった5年一貫教育も同年の
3.5%が05年には5.7%に増えていた。
こうした動向は、男性看護師の増加につながっている。06年12月末時点の看護師の就業者数は
全国で81万1、972人(平成18年保健・衛生行政業務報告)と、初めて80万人を突破。前回
(04年)調査に比べ、全体で5万1、751人(6.8%)増える中、男性は6、434人多くなり、
増減率にすると20.4%もの大幅な増加となっている。
男性看護師が増えている要因について、日本看護協会は「看護師が専門職として認知されたこと
と、大学に看護学部が相次いで開設されたことに伴い、男性にとって学びやすい環境が
整ったからではないか」と話している。
報告書を受けて日医は「(明らかになった)数字を見る限り、男子学生の看護職員に対する意欲は
かなり高い」と指摘したうえで、「窓口をさらに開放し、男性が看護職員を目指しやすくする
環境を整備することで、看護職員の充足対策とすべき」としている。
報告書では、看護職員確保のための具体策として、男子看護職員志望者の採用促進に加え、
通信教育制度の充実や看護職員復職希望者へのプログラムの設置、准看護師養成の充実等を強調。
准看護師養成に関して、日医は「一度社会に出た人々が新たな挑戦を行う機会を与える場と
なっている。限られた人的資源の中で、社会経験を有し看護職に意欲をもって望む人々に門戸を
開くことは社会的な意義も深い。准看護師は地元定着率が高いとも言われ、地域偏在を防ぐこと
にもなる」と指摘している。
ソースは
URLリンク(news.cabrain.net)
“看護士・看護士学校養成所入学男子比率の年次推移”のグラフは
URLリンク(news.cabrain.net)