08/01/17 23:32:50
■世界経済は絶好調
いま原油や食料品、タクシー料金など物価が上がっている。
たしかに、一般に消費者物価の上昇は望ましいことではない。
だが、そもそも考えなければならないのは、「なぜ石油の値段が上がっているのか」という点である。
原油価格や食料品、原材料が上がっている最大の原因は、「世界経済の好調」である。
世界経済が好調といわれても、日本ではピンとこない方が多いかもしれない。
だがこの五年の世界は三十年ぶりの好景気であり、二○○七年の世界経済は、五%の成長を達成した。
BRICsなどの新興国が元気なのもその一因だ。
サブプライムローン問題が騒がれたアメリカにしても、株価は二○○六年末よりも高いところにある。
日本では米国経済が失速する、と大騒ぎしているが、米国人投資家もノーテンキで投資をしているわけではない。
米国経済の将来を信頼しているからこそ、いまでも史上最高値に近いところにいるのである。
経済全体が元気であり、企業の収益が給料やボーナスで還元されれば、
物の値段が多少高くても、消費に悪影響を与えることはない。
日本でも本来、石油高は問題にならないはずだった。
だが「問題」は、世界経済が絶好調だったのに、日本のみがこうした流れにただ一国、取り残されてしまったことにある。
世界経済の好調の波に日本がうまく乗っていれば、原油価格が上がったとしても、
それを上回る成長のメリットを享受することができ、大きな問題にはならなかっただろう。
世界経済が繁栄を迎えた理由の一つに、日本以外の国では資産価格の上昇すなわち
「資産インフレ」による資産効果(消費拡大)が生じたことが挙げられる。
世界各国の不動産や株の価格は「日本以外すべて」といってよいほど、この数年かなり上がっている。
とくに不動産の上昇は、ダイレクトに各国の景気を持ち上げる結果となった。
株価も、サブプライム問題で調整中とはいえ多くの国で史上最高圏にある。
世界経済の五%成長を見るにつけ、日本の一・五%成長(二○○一年から○六年まで)という
低位安定は歯がゆいものがある。アジアやヨーロッパ、アメリカが利益を享受するなかで、
日本だけが利益をエンジョイすることができなかったのだ。
その原因の一つは、円高だったことにある。
為替が十分円安になっていれば、日本も世界経済の好調の波に乗れていただろう。
景気がよければ、石油や金属の価格が上がっても「仕方ない」で済む。
日本では円がフレキシブルに動かなかったため、景気が停滞してしまったのだ。
なぜ円安が日本経済にとってよいのか。中国が人民元の切り上げに反対していることを考えれば、理解できるだろう。
円が安ければ、輸出はもちろん、円でモノやサービスを売っている人に有利だ。
円が安ければハワイに行く人は減り、円で旅行サービスを売る熱海の旅館は客が増えるのだ。
ソース(>>2以下に続きます)
URLリンク(seiji.yahoo.co.jp)