08/01/12 10:44:47
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株式市場は先物主導で軟調な動きを続けているが、その要因として日経リンク債のノックインに絡む思惑が
またぞろ浮上している。私募も含めたリンク債の実態には不透明な部分も多く、市場のかく乱要因になって
いるとの見方が出ている。
東京株式市場では11日後場、日経平均が第1のノックイン価格として意識されていた1万4231円にタッチ。
その後下げ幅が急拡大している。
<先物にノックインを狙った売り仕掛けも>
個人向けには「リスク限定型ファンド」などとして販売されることも多い通称「日経リンク債」とは、
海外政府系金融機関の債券などに日経平均プットオプションの「売り」を抱き合わせた「仕組み債」と
呼ばれる金融商品のひとつ。オプションの「売り」によって得られるクーポンが高利回りの原資となる。
投資家の人気を集めているノックイン条項型の日経リンク債の場合、当初に定められた期間中に決められた
「ノックイン価格(バリア)」に1度もタッチしなければ、投資家は高い利回りを得られるが、バリアに
タッチすると償還額は日経平均株価に連動することになる。株価が上昇基調にある時や、変動が少ないときは
問題ないが、相場が急落すると状況は一変する。「株安に乗じてノックインを狙った売り仕掛けが先物に
出ている可能性もある」(ユニマット山丸証券法人営業部マネージャーの藤井勝行氏)という。
<デルタヘッジの先物買いが波乱の種に>
ノックインを狙った売りとは何か。簡単にからくりを説明しよう。投資家が購入するリンク債にはプットの
売りが組み込まれている。投資家は高利回りの債券を買ったと錯覚しやすいが、実はプットの売りを
購入してクーポンを得ているに過ぎない。逆に運用サイド(証券会社の自己売買部門など)はプットの
買いで対応する。このプットの買いポジションを放置すれば運用サイドにとってリスクとなるため、
ヘッジの先物買いまたはプットの売り(合成先物の買い)を入れて、ポジションをニュートラルにしなければ
ならない。
デルタヘッジと呼ばれるこの手法は、株価がバリアから放れていれば少ないヘッジで済むが、バリアに
接近するとオプションの発生確率が高まるため、幾何級数的にヘッジ量を増やさなければならないという
特徴がある。このデルタヘッジによって積み上がる先物あるいは合成先物の買いが株価急落時に波乱の種と
なる。
続きます。ソースは
URLリンク(jp.reuters.com)
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