08/01/08 11:21:10
数百年続く黒部市の「生地浜の地引き網漁」が近く、打ち切られることになった。
地引き網漁を続けてきた同市の下浦地曳(じびき)網漁業組合(松野均組合長)が
二月で組合を解散する方針を固めた。作業従事者の減少と高齢化、水揚げ量の
ダウンなどの要因が重なり、運営が困難になったためで、銀嶺の立山連峰を背に
網を引く伝統漁の長い歴史に終止符が打たれる。
生地浜での地引き網漁は、江戸時代に始まったとされる。毎年一月末から四月上旬に
かけて沖合七百メートル、水深一五〇メートルのポイントに船で網を仕掛け、一日に
二回引き上げている。漁業者が、現在もなりわいとして地引き網漁を続けているのは
全国でも珍しく、三千メートル級の山々を背景に海の男たちが網を引き上げるさまは
「富山湾の冬の風物詩」として知られている。
しかし、十年ほど前に十五人いた漁の従事者は年々減り、現在は十人を数えるだけ。
平均年齢も六十代後半となり、一人一人の肩に作業が重くのし掛かるようになった。
慢性的な人員不足に対応するため、組合は二年ぶりに漁を再開した昨シーズン、
網を大幅に軽量化した上、引き上げる回数も一日一回に減らすなど、作業負担の
軽減に努めてきた。
ところが、水揚げ量は従来の三分の一程度に減少し、赤字が膨らんできた。
寄り回り波による海岸浸食の影響で、安全に作業できるスペースの確保も
難しい状況になっていることもあり、漁の打ち切りと組合を解散する意向を固めた。
解散式は二月の予定で、くろべ漁協組合長でもある松野組合長は「伝統にピリオドを
打つのは断腸の思いだが、やむを得ない。くろべ漁協が実施している、夏場の
観光地引き網漁は継続していきたい」と話している。
ソースは
URLリンク(www.kitanippon.co.jp)
地引き網の光景は
URLリンク(www.kitanippon.co.jp)
依頼を受けてたてました。