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経済産業省は5日、米国と連携し、電気抵抗がゼロとなる次世代の送電線材料の開発に共同で取り
組む方針を明らかにした。
実用化できれば、送電過程で失われる電力が大幅に減り、地球温暖化の原因となる二酸化炭素
(CO2)排出量で年間約1000万トンの削減につながると見ている。
先端技術研究で知られる米ロスアラモス国立研究所(ニューメキシコ州)との間で、近く覚書を締結
する。共同開発は、経産省系の国際超電導産業技術研究センター(ISTEC)を通じて実施する。日本
国内で送電網の設備更新が増加し始める2020年度までに実用化にメドをつけ、電力各社の切り替え
需要に応じる。
現在、送電線の素材には主に銅が使われているが、電気抵抗で発電所から家庭やオフィスに届く
までに約5%が失われている。
超電導物質を使い、電気抵抗がほぼゼロになる電線に置き換えれば、損失を2%程度に抑えられると
見ている。年間で約200億キロ・ワット時もの電力量が節約できる計算だ。国内の総発電量の2%で、
火力発電施設数十基分に相当する。
また、送電線の太さも、従来の送電線の100分の1に抑えられる。同じ太さのケーブルで大容量の
電流が流せるため、人口集中や情報機器の普及による都市部での電力需要の増大にも対応しやすくなる。
経産省では、抵抗ゼロの送電線や変圧器などの開発に今後、100億~200億円を投じる方針。日本
ではこれまで、10世帯程度で使う電流の大きさに当たる300アンペアについて、長さ約400メートル
まで抵抗ゼロで送ることができる送電線の開発に成功している。
ただ、実用化には、少なくとも500メートル以上の距離を抵抗ゼロで送ることが条件になる。現在100
メートル当たり36万円の製造コストを9万円以下に引き下げることも課題だ。このため、より大きな電流を
安定的に送ることができる新しい超電導物質の開発が急務となっている。
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