08/01/05 23:36:46
奨学金の導入や学費の値下げをする私立大学が目立ってきた。
「4年間の授業料、施設費が免除。さらに自宅外通学者には1年あたり30万円支給」とポスターの文字が躍る。
計322万円の奨学金には卒業後も返還の義務はない。
専修大学(東京・千代田区)が昨年11月18日、初めて実施した二部(夜間部)スカラシップ入試。
6人の募集人員に15人が挑んだ。高校での評定平均値(5段階評価)4・0以上が出願要件。
志望理由書と学習計画書をそれぞれ2000字以内で提出し、小論文と面接に臨む。
「一部がだめだったから二部へという人ではなく、明確な志望動機があるが、経済的事情などで
進学できなかった人に門戸を広げたい」と同大入学センターの伊藤隆敏部長。
大学の前身は1880年にできた夜間二年制の「専修学校」だけに、他大学で二部の廃止や統合が進む中、
二部教育重視の意思表示でもある。
一方、一部でのスカラシップ入試も今年から始める。試験日は2月1日、全国に12の試験会場を設け、
6学部で募集人員は計40人。パソコンの部品を1人1台分支給するネットワーク情報学部(定員240人)の場合、
4年間の奨学金総額は662万円に上る。
筆記試験は3科目で、こちらも出願時に1000字以内の志望理由書が必要だ。
地方から学習意欲の高い人に受験してもらいたい」。首都圏出身の学生が約65%を占めるだけに、
全国区になることで大学の底力を付ける戦略だ。
医大間では学費の値下げ競争が激化している。
順天堂大学医学部は今年から6年間で授業料など総額880万円も値下げした。
学費は約2090万円となり、私立医大の中では慶応大学と並んで最も安いクラスとなった。
昭和大学医学部は400万円値下げして2650万円となる。入試の成績上位者はさらに100万円減額する。
それでも国立大には学費の安さで及ばない。ライバル視するのは他の私立医大だ。その入試日程が競争の激しさを物語る。
日本医大は2月12日午後1時に合格発表があるが、昭和大は入学手続きの締め切りが同日正午。
併願した受験生は日本医大の発表前に、昭和大の手続きをするかどうか決めなければならない。
また、順天堂大の合格発表は2月22日午前10時。日本医大の手続き締め切りは同日正午、慈恵医大は同日午後3時だ。
受験生は、補欠合格の可能性もにらみながら決断を迫られる。
「難易度と授業料は反比例の関係。安い大学は人気が上がり、偏差値も上がる」と駿台予備校の田村明宏広報課長。
予備校生には「場合によっては支払った入学金をあきらめるしかないこともある」と指導する。
昭和大の場合、6年後の学費収入は5億円の減額となる。
「経営努力は必要になるが、より良い学生を確保するための決断だ」と昭和大の守屋明俊教務部長。
受験生は、学費以外の様々な要素も見極める必要がありそうだ。
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