08/01/04 23:40:50
インターネットの掲示板などを使って不正に株価を操作する「ネット仕手筋」が証券市場で
暗躍している。バブル経済の崩壊とともに姿を消していったプロの仕手筋に代わり、一般の
個人投資家がネットを武器に「闇勢力」と化しているという。マーケット犯罪の根絶に取り組む
証券取引等監視委員会などは、こうしたネット仕手筋の動向に警戒を強めている。
■株価10倍に
2年前の冬、東京に本社を置くある中堅商社の株価がわずか2週間で、600円から1000円に
跳ね上がった。
同社によると、株価上昇の材料は何もなく、その間、顧客から「新技術はいつ発表するのか」
といった問い合わせが相次いだ。調べてみると、投資家が一目置くインターネットの掲示板に
「(同社が)新技術を発表するらしい」などと勝手な書き込みがあったという。
仕手筋に詳しい企業コンサルタントの松本弘樹さんは「ネットを通じた株取引が普及したこと
により、誰もが簡単に株に参加しやすい土壌ができ、専業のネットトレーダーが出現した。
その人たちが『ネット仕手筋』となり、相場を動かしている」と話す。
松本さんによると、東京の個人投資家が、ある外国企業の株を推薦するコメントをネットに
ばらまいてファンドに集めた100億円の資金を元手に、その株を買い集め、株価を10倍に上げた
例もあるという。
■最後の大物
大阪地検特捜部は昨年10月、ジャスダック上場の旧南野建設の株価を不正につり上げたとして、
投資アドバイザーの西田晴夫被告(57)=金融商品取引法違反(相場操縦)罪で公判中=を逮捕した。
バブル崩壊後の証券業界で「最後の大物仕手筋」と呼ばれていた西田被告は逮捕前、関係者に
「最近はネットにすぐ情報が流れて仕手戦がやりづらくなった」と嘆いていたという。序盤で
ネットに「これは仕手筋が狙っている株だ」と漏れると、意図しない株価上昇で安く株を仕込む
ことができなくなるからだ。
自宅に居ながら株の情報を仕入れ、売買するネットトレーダーの口座数は去年9月末の時点で
約1300万と、平成14年の5倍に急増している。売買のタイミングなどを指南する証券マンとの
結びつきがなくなり、法に無頓着となって「ネット仕手筋」になるのだ。
ネット仕手筋が初めて摘発されたのは平成17年7月。釧路地検が、ネットを利用した株取引で
株価をつり上げたとして個人投資家の会社員を証券取引法違反(当時)の罪で在宅起訴している。
▽News Source MSN産経ニュース 2008年01月04日22時46分
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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▽証券取引等監視委員会
URLリンク(www.fsa.go.jp)