08/01/02 07:40:50
本県でドクターヘリの配備先をめぐる議論の流れが変わってきている。これまで県は、
県立中央病院(青森市)を強く支持していたが、国が来年度のヘリ配備へ向け積極的に予算を
付ける方針を示したことから、早期運航可能な八戸市民病院に注目が集まり始めた。
12月の医療審議会計画部会では「八戸で暫定運航を」という意見が複数出され、いったん
まとまりかけた。ただ、「全体を考え、県病からスタートすべきだ」という声も根強く、
結論は次回の計画部会に持ち越された。
■ドクターヘリ国が積極予算
2008年度一般会計予算の財務省原案が示された12月20日。県庁は揺れた。財務省が本県を
含めた3県に2億6000万円のドクターヘリ配備予算をつけた-という報道が駆けめぐったためだ。
「県からドクターヘリ導入を厚生労働省に正式に要請したことがないのに、なぜ予算が
つくのか?」。担当者は驚き、困惑の表情を見せた。この予算報道がヘリ論議に影響を与えた。
5日後の25日、青森市で開かれた医療審議会計画部会。県内自治体病院長として重い発言力を
持つ、むつ総合病院の小川克弘院長が切り出した。「基本は県病でいいが、来年度、予算が
つくなら、八戸市民病院で暫定運航したらどうか。今の県病にはドクターヘリに対応できる
力はない」。八戸市民病院の三浦一章院長が続いた。「未来永劫(えいごう)、八戸が基地病院に
なるということではない。今できるこちらでやらせていただけないか」
■弘大教授ら不快感
県病の吉田茂昭院長は、各病院の連携の必要性を説き、県病が最初から基地病院になることに
こだわりを見せなかった。そこで、和田一穂部会長(県医師会常任理事)が「ヘリの運航対象地域は
青森県とする。疾患別の搬送先の基準をつくる」とまとめに入った。そして「県病をメーンとするが、
今すぐはできないので、暫定的に八戸市民病院にお願いする」と続けた瞬間、永山隆造・ときわ会
病院理事長から質問が出た。「後半部分はどういうことか」
県の事務担当者は「県病では来年10月まで、立体駐車場の整備があるので、物理的に基地病院の
整備はできません」と説明した。ヘリに関する初年度の国庫補助は、09年1月から3月までの3カ月分。
09年1月から運航するとしても、県病では基地病院として準備ができないという。
これに弘大の奥村謙教授が不快感を示した。「最初から、結論ありきではないか。今までの
議論は何だったのか。ばかばかしい」。弘大の須田俊宏教授は「データは早く出しておくべきだった」
と苦言。奥村教授は「将来を見据えて県全体の医療を考える必要がある」と語った。
三浦院長は「助かる命を救うために八戸でやらせてもらいたい。(奥村教授の主張は)ヘリを
やらないこともあるというのか。やって、考えながら進んでいいのでは」と主張。気まずい時間が
流れた。ここで難波吉雄県健康福祉部長が「論点を取りまとめていただき、再度、計画部会に
出させていただきたい」と場を取り繕った。
>>2に続く
▽News Source 東奥日報 2008年01月01日
URLリンク(www.toonippo.co.jp)
▽青森県
URLリンク(www.pref.aomori.lg.jp)