08/01/01 07:50:49
政府が、輸入への依存度が高い小麦、大豆と、家畜に与えるトウモロコシなどの飼料作物に
ついて、現在の備蓄水準を引き上げる方向で検討に入ることがわかった。
2009年度からの実施を目指す。食料自給率が先進国最悪の40%未満に落ち込む一方、中国や
インドなどの新興国での消費が急増、穀物の争奪戦が激しくなっていることに対応する。
穀物の備蓄水準は財政難を理由に徐々に引き下げられてきたが、食料安全保障政策を強化する
方向に大きくかじを切る。
福田首相が本部長を務める「食料・農業・農村政策推進本部」の下部組織「食物の未来を描く
戦略会議」(座長・生源寺真一東大教授)が月内に検討に着手し、3月に報告書を取りまとめる。
これを受けて農林水産省が具体策を検討する。現在、民間在庫も含め、穀物に応じて
年間需要の1~2か月程度に設定している水準を3か月程度に増やす案が軸となる見通しだ。
現在の備蓄水準は、自給率13%の小麦で2・3か月分(うち政府備蓄1・8か月分)、25%の
大豆で約1か月分(同0・5か月分)、全量を輸入に依存する飼料穀物で2か月分(同1か月分)だ。
政府はコメの備蓄も行っているが、自給できるため、今回の拡大対象にはしない。
世界の穀物市場は、需要と供給の両面で大きな変化を起こしている。供給面では、米国で
ガソリンの代替燃料であるバイオエタノール向けに大豆からトウモロコシへの作付け転換が
進み、国際的な大豆不足が起きている。小麦の大輸出国の豪州は2年連続の干ばつに見舞われ、
ロシア、アルゼンチンなどの穀物輸出国は食料安保の観点から、輸出の制限に踏み切っている。
需要面では新興国が消費国として台頭し、07年12月の小麦の国際価格は、06年1月との比較で
約2・6倍に急騰している。
▽News Source YOMIURI ONLINE(2008年1月1日3時7分 読売新聞)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
▽農林水産省:食料自給率の部屋
URLリンク(www.maff.go.jp)
URLリンク(www.maff.go.jp)
▽関連
【食品】中国:穀物輸出に5―25%の関税、食品高騰の歯止め狙う…国際市況に影響も [07/12/31]
スレリンク(bizplus板)
【食品】中国へのコメ輸出、第2便出港…新潟県産のコシヒカリなど50トン・春節の贈答用に [07/12/29]
スレリンク(bizplus板)
【農業】オーストラリア:続く干ばつ、農産地崩壊も・小麦など穀物生産量42%減…相次ぐ離農、工場閉鎖 [07/12/09]
スレリンク(bizplus板)