07/12/31 16:19:09 BE:154950252-2BP(1931)
世界の自動車業界の盟主に、トヨタ自動車が躍り出た。
1930年代から首位だった米ゼネラル・モーターズ(GM)に取って代わるものだ。
業界は大きな転機を迎えた。
トヨタグループの2007年の世界生産台数は、前年比5%増の951万台に達した。
一方で、GMの生産見込みは926万台にとどまる。約80年ぶりの首位交代である。
トヨタグループの08年の世界生産計画は995万台で、1000万台の大台に迫る。
GMをさらに引き離す勢いだ。
100年前の1908年、自動車を本格的に普及させた「T型フォード」が発売された。
以来、日本の自動車各社は、GMなど米ビッグスリーを目標にしてきた。
1世紀を経て、トヨタがライバルから追われる新時代を迎える。
トヨタは、90年代半ばからの約10年間で、生産台数を倍増させた。
顧客ニーズに合った車作りと技術力をバネに、海外生産を軸にした成長戦略が
成功した。
80年~90年代に日本メーカーの対米輸出が急増して、日米自動車摩擦が過熱した。
摩擦回避のため、トヨタなど日本各社は北米での現地生産を拡大した。
販売不振のビッグスリーと対照的に、トヨタの低燃費車の北米販売は好調で、
生産の増大に弾みがついた。
97年に環境重視のハイブリッド車のプリウスを発売し、先行した効果もトヨタの
成長を支えた。ライバル各社は次世代環境車で巻き返しを目指しており、
開発競争は一段と激しさを増すはずだ。
中国、ロシアなどの新興市場での生産も拡大が続く。
トヨタはこれらの市場を「成長のエンジン」と位置づける。
今後の主戦場となる新興市場では、低価格車の投入がカギだ。
いずれ、中国やインドメーカーが競争力をつけるに違いない。
世界的な業界再編の可能性もある。
トヨタは、“かんばん方式”と言われる効率的な生産方式を定着させ、コストを
削減してきた。今後も、激しいコスト競争が続く中、部品の調達から車両の
組み立てまで、高品質を維持し続けることが極めて重要になる。
米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題の余波で、新年は北米市場の
低迷が懸念される。日米摩擦の再燃を避けつつ、販売をどう維持するか。
難しい経営課題になるだろう。
おひざ元の国内市場では、販売の低迷が続いている。
消費者にアピールする魅力ある車の投入が欠かせない。
世界首位に立ったトヨタに死角はないのか。
油断すると、すぐに足元をすくわれることを認識しておく必要がある。
ニュースソース
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)