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■デジタル放送の暗号化に疑問の声が相次ぐ、総務省の検討委員会
総務省の情報通信審議会は27日、「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」の第30回
会合を開催した。
委員会では、デジタル放送のコピー制御についての実効性を担保するための仕組み(エンフォースメント)に
ついての検討状況や、「ダビング10」導入に向けての準備状況などが報告された後、参考資料として地上デジタル
放送を暗号化せずにPCに出力できる機器が流通しているという状況報告が事務局からあり、出席した委員からは
現在デジタル放送にかけられているスクランブル(暗号化)についての意見が相次いだ。
● B-CASの仕組みが破られ「これまでにかけたコストはなんだったのか」の声も
現在のデジタル放送は、スクランブルがかけられた放送波をチューナーで受信し、チューナーではB-CAS
カードによりスクランブルを解除した後、出力時に再度DTCPやCPRMといった暗号化を施すという仕組みとなって
いる。スクランブルの解除に必要となるB-CASカードは、こうした仕組みを守っていると認定された機器にのみ
発行されるため、スクランブルの解除は困難であるとされてきた。
しかし、海外メーカーからこうした仕組みを無視した機器が登場し、流通し始めているという状況が発生。こうした
機器は、他の機器用に発行されたB-CASカードを流用することでスクランブルを解除し、PCには暗号化されない
状態で出力するという方法を用いていると思われるという事務局からの説明があった。
こうした状況説明の後、出席した委員からは現行のデジタル放送のスクランブルについて疑問の声が相次いだ。
主婦連合会の河村真紀子委員は、「B-CASカードによるスクランブルの仕組みを破ることは大変難しいと伺って
いたが、説明を聞く限りでは簡単に破られたように思える。こんなものだったら、この仕組みにこれまでかけた
コストはなんだったのかと思う」と発言。生活経済ジャーナリストの高橋伸子氏も、「今回この仕組みが破られた
ことで、それを防ぐために新しい仕組みを導入しようといった話になると、また膨大なコストが発生するのでは
ないか」と懸念を示した。
委員会の主査を務める慶應義塾大学教授の村井純氏は、こうした問題については委員会に設けられた技術
検討ワーキングの中で現在検討を進めていると説明。技術検討ワーキングでは、スクランブルを行なわない場合
には「ルール違反」に制度で対応する必要があるが、こうした制度的な手法と技術的手法ではどちらの方が
トータルのコストが低くなるのかといった点など、スクランブル自体の可否や総合的なコスト負担について検討して
いくと述べた。
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■ソース
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)
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