07/12/26 15:47:48
無原則な整備新幹線の着工につながる、あしき前例にならないか心配だ。
建設が遅れていた九州新幹線長崎ルートの武雄温泉?諫早間が、年度内にも着工される。
難航していたJR九州と地元自治体の協議が、ようやくまとまったためだ。
だが、合意では、新幹線に並行して走る在来線の運行で見込まれる赤字の半分以上を、
JR九州が背負う。これでは、これまで守られてきた整備新幹線の着工ルールが尻ぬけに
なりかねない。
政府・与党は新幹線の新規着工について、ゴーサインを出す際の5原則を設けている。
安定した財源、採算の確保などに加え、並行在来線のJRからの経営分離に、地元自治体
すべてが同意しなければ着工は認められない。
無計画な新線建設を防ぎ、民営化されたJRの健全な経営を保つのが目的だ。不採算路線を
旧国鉄に押しつけて赤字を膨らませた轍(てつ)を踏まないための、重要な歯止めと言える。
武雄温泉-諫早間では、地元自治体の一部が並行在来線のJRからの経営分離に強く反対
していた。地元が経営した場合の負担増や利便性への懸念からだ。
結局、並行在来線は新幹線開業後も20年間はJR九州が運行する。予想される
年1億7000万円の赤字のうち、7000万円は佐賀、長崎両県が補てんするが、
残る1億円はJR九州の負担だ。
新幹線で並行在来線の赤字を上回る利益をあげなければ、JR九州の経営には重い足かせとなる。
新幹線がない地方にとって、早期着工は悲願だろう。だが、新幹線が通れば並行在来線は乗客を
奪われる。その負担をJRに負わせないために設けた原則を、JRの経営分離をやめさせて
クリアするのは、本末転倒だ。
東北、北陸新幹線の開業でJRから分離された在来線の経営はどこも厳しい。赤字が必至な
北海道新幹線の並行在来線の扱いも、まだ決まっていない。今回のケースを先例に、JRへの
負担押しつけが横行すれば、不採算路線の延伸に歯止めがきかなくなる恐れがある。
並行在来線が残った地方都市も、新幹線によって近接する大都市に買い物客などを奪われる
副作用に苦しんでいる。新幹線による地域活性化は、地元とJRの一体的な取り組みが不可欠だ。
着工5原則の意味を再確認する必要があろう。
政府・与党は北海道、北陸、九州新幹線の未着工区間についても、年度内に財源のメドを
つけたいとしている。新規着工は、安定財源の確保が大前提となることは言うまでもない。
ソースは
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
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