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08年度政府予算案に伴う財務省の国債発行計画では、新規発行国債(新発債)を
25兆3480億円に抑え、わずか840億円ながら前年度より減らす。財政再建路線に対する
市場の信認をつなぎとめるためだ。だが、国の長期債務残高の伸びは止まらず、08年度末に
612兆円に達する。財務省は、いつ暴れ出すか分からない市場の顔色をうかがいながら、
綱渡りの国債管理政策を続ける。
「財政再建に向けた姿勢を、世界のマーケット(市場)も評価してくれているのではないか」
額賀財務相は24日、08年度政府予算案を閣議決定した後の記者会見で「市場」という言葉を
強調した。財政再建の行方に疑念が強まれば買い手が減り、いずれ国債価格の暴落
(金利は急上昇)につながりかねない。
「埋蔵金」とも呼ばれる財政投融資特別会計の積立金9兆8000億円を取り崩し、国債の
前倒し返済にあてるのも残高が増えるのを抑えるためだ。
借金の増加を抑えるのは国債管理政策の王道だが、最近目立つのは買い手の立場に立った細
かな工夫だ。例えば、国債の元本部分と利息部分を分離して売買できる「ストリップス債」。
米国などの例にならい03年に導入した。元本部分については、資金を長期運用する
生命保険会社の引き合いが強いが、利息部分はだぶつき気味だ。
証券会社や銀行と意見交換する「国債市場特別参加者会合」では、「需要がない利息部分は
国が買い入れるべきだ」という要望が続出。財務省も受け入れ、08年度に初めて400億円を
買い入れる。
需要に比べ流通量が少ない銘柄の国債を追加発行し、投資家が売買しやすくする
「流動性供給入札」も07年度当初の倍の1兆2000億円に増やす。
国内金融機関以外にも、個人や海外へ買い手を広げようとしている。欧米やアジアで
実施している海外投資家向けの国債説明会には財務省幹部も参加し、今年は資源高にわく
中東産油国とロシアで初めて開催した。
あの手この手を繰り出す財務省に対し、大手銀行で国債ディーラーをしていたアナリストは
「昔は『ザ・大蔵省』という感じの高圧的な人が多かった。幹部が国債セールスに
励むなんて考えられなかった」と苦笑する。
続きます。ソースは
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