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2008年度予算の政府案では、成長力強化や地域活性化など5項目を「重点施策」と位置付け、
手厚く予算を配分した。だが、重点化を隠れみのにしたバラマキも目立ち、財政再建を柱とした
改革路線は明らかに後退した。将来、不可避な消費税率の引き上げなどによる負担増で景気が
失速すれば、税収が減り、財政再建はいっそう危うくなる。いまこそ、将来の税収増につながる
成長戦略が求められている。
「改革を続行する中で日本経済を安定した形で成長路線に乗せていかねばならない」
額賀福志郎財務相は24日の会見で、経済成長重視の姿勢を強調した。
政府案では重点施策として成長力強化に873億円、地域活性化に1916億円の予算を付けた。
地方と都市や雇用者間の格差を是正し、日本経済の底上げを図ることで成長力を高めるというのが
政府の戦略だ。
実際、IT(情報技術)化などを通じた中小企業の経営能力向上支援や地域の技術力を結集した
産学によるイノベーション創出事業などは、要望額よりも増額された。復活折衝でも京都大学の
山中伸弥教授が開発に成功した「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」の研究に10億円の追加を
認めるなど、将来の成長の種となる分野に予算を積極的に投入している。
だが、全体をみると、農山漁村対策や道路整備プロジェクトのように地域再生に名を借りた
バラマキ施策で歳出は大きく膨らんだ。
■「規制強化で停滞」
野村証券の木内登英・経済調査部長は「政治の弱体化で官庁の力が強まり規制が強化されたこと
で、経済が停滞している」と路線後退に警鐘を鳴らす。
政府案からは、規制緩和や法人税の引き下げなどによって経済の活性化と競争力強化を図り、
15年にわたる景気拡大と結果としての税収増を実現したサッチャー政権以降の英国のような
国家戦略が見えてこない。
日本経済の先行きは、米国のサブプライム(高金利型)住宅ローン問題の影響など不透明感が
増している。将来の負担増への不安から、消費者は“生活防衛意識”を強め、財布のひもを
さらに締め始めた。
明確な成長戦略を打ち出せず、一方で財政のたがが緩んだまま増税へと突き進めば、消費税率
引き上げを契機に景気が失速した1997年以上の悲劇を招く。成長と財政再建が車の両輪で
あることは言うまでもない。
ソースは
URLリンク(www.business-i.jp)
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