08/01/09 15:54:15 kEIUTOy5
―1929年 アメリカ摩天楼にて―
資本家A(以下A)「10年前我々はこの部屋でアメリカの繁栄を願って乾杯をした。」
資本家B(以下B)「それから今日までアメリカは素晴らしい勢いで繁栄を続けてきた。」
A「自動車でも電化製品でも、造ればいくらでも売れたし、株価はどんどん上がる一方。 しかし最近少し心配になってきた。」
B,資本家C(以下C)「ほう、何がです?」
A「自動車でも電化製品でも新型がどんどん作られているが、最近売れ行きが鈍ってきている。」
C「何でだろう、おかしいな?」
B「わが社の電化製品が売れ残って送り返され倉庫に入りきらない。」
A「街では失業者の数が増えているようですぞ。」
C「農村では農産物の値段が下がって農民が困っている。」
A「株価の値上がりは普通ではない。株価が急落するようなことがあれば大変なことになるだろう。」
B、C「心配要りませんよ。このニューヨークをご覧下さい。続々と高層ビルが
建てられているこの摩天楼こそアメリカの繁栄の象徴です。」
集英社版・学習漫画世界の歴史 第14巻 アメリカとゆれうごく世界-大恐慌の時代-より
アメリカは1925年に最低の25%へ最高所得税率を緩和(金持ち優遇税制)した結果、貧富の差が拡大して中流層が打
撃を受け、フーバー政権下の1929年にウォール街で株価の大暴落が発生し世界大恐慌へ突入したのであった・・・。