07/12/15 20:36:44
揺らぐ信頼 ＩＨＩ ９月中間で赤字３７２億円
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ＩＨＩは14日、公表が遅れていた07年9月中間連結決算を発表。営業赤字が544億円、当期赤字が
372億円に達したことを明らかにした。釜和明社長は新たなチェック部署を設置するなどの対策を
表明したが、社内外で揺らいだ信頼の回復は容易ではない。
■重い処分、現場不満
「（決算の）下方修正を引き起こした責任はやはり、事業部門の方にある」。14日に会見した釜社長は、
現場に近い幹部の処分が上層部より重くなった理由を、こう説明した。
前エネルギー事業本部長は取締役・執行役員を辞任。前環境・プラントセクター長も常務執行役員から
執行役員に降格した。ところが、釜社長や副社長３人の処分は、報酬が減ることだけ。伊藤源嗣会長は
取締役を辞任するものの、相談役に就任し、報酬を受け取る。
社内調査は巨額損失の原因として、見積もりの達成が困難といったマイナス情報が、担当部署から
本社まで上がってこなかったことを指摘している。「上に甘く、下に厳しい」処分となったのは、この調査
結果を踏まえたものだ。
だが、社内には「現場にばかり責任を押しつけようとしている」との不満がある。
市場の評価も厳しい。
ＩＨＩ株は、2月27日に年初来最高値となる514円をつけた後、いったん下落する。だが、8月に「通期の
営業黒字400億円」との当初の業績見通しの維持を発表すると、株価は一時480円台に回復した。
実は、業績見通しの維持を発表する前の7月下旬の取締役会で、一部のプロジェクトの損失状況が
報告されたという。
しかし、ＩＨＩが巨額損失の可能性を公表したのは9月下旬になってから。株価は300円を割り込み、12月
11日に過去の決算も大幅訂正することが発表されると、年初来最安値の194円まで下落した。
釜社長は14日の会見で「精査して全体の損失が見えてきたのが8月末だった」と述べ、7月の時点では
業績悪化の見通しを公表できなかったと主張した。ただ、経緯の不透明さは、これから問題となる
可能性がある。
>>2に続く