07/12/10 23:20:50
国内製薬大手のエーザイは10日、米バイオ製薬会社のMGIファーマ(ミネソタ州)を39億ドル
(4300億円)で買収すると発表した。国内製薬業界では、アステラス製薬や第一三共の誕生など、
大手の合併による大型再編が進展。出遅れを指摘されていたエーザイは、海外事業の大型M＆A
(合併と買収)で巻き返しを図る。注力分野のガン治療薬を強化し、世界最大の市場である米国
での成長を確実にする。
この買収のためエーザイは米に買収子会社を設立。MGIのすべての発行済み株式を株式公開
買い付け(TOB)で取得する。買い付け価格は過去3カ月の終値平均に37％のプレミアムを
上乗せする。買い取りは来年第1四半期(1～3月)中に終了する予定で、買収資金は自己資本と
借入金で対応する。
エーザイの内藤晴夫社長は同日会見し、｢技術の発展が早く多様化しており、自前で新薬を
開発するには限界がある｣と、大規模買収に踏み切った理由を述べた。
エーザイは同社の主力製品であるアルツハイマー型認知症治療剤｢アリセプト｣の米国特許が
2011年に切れるため、この克服が｢最大課題｣(内藤社長)。製薬企業の成長のカギを握る創薬
では日本の製薬会社は欧米企業に売上高、研究開発費ともに大きく差を付けられている。
医薬品の売上高で日本トップの武田薬品工業でも2005年の売上高は約97億ドルで世界15位。
これを克服する動きが国際的なM＆Aとなった。
MGIファーマはがん治療に関連し、多くの新薬候補を抱える。化学療法副作用を抑える
｢アロクシィ｣など08年までに発売される新薬4製品が獲得でき、エーザイとしては目標に掲げる
米国市場での2ケタ成長が期待できる。
エーザイは研究、生産、販売拠点の世界展開に注力しており、07年度のグループ売上高は
7390億円を見込み、50％以上が海外市場が占める。4月にも米バイオベンチャーを買収し、
抗体医薬事業に参入、抗がん剤の新薬候補の充実を進めてきた。エーザイは、2011年に
売上高を現状の35％増にあたる1兆円とする目標を掲げており、国内再編の出遅れを海外の
大型M＆Aに求めた格好だ。
▽News Source MSN産経ニュース 2007年12月10日21時06分
URLﾘﾝｸ(sankei.jp.msn.com)
▽Press Release
エーザイ 米国バイオファーマMGIファーマを買収
URLﾘﾝｸ(www.eisai.co.jp)
▽エーザイ 株価 [適時開示速報]
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