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エコカー、主役争い過熱 平均燃費・CO2排出で改善 2007年12月10日
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東京都内のタクシー運転手小山昭人さん(43)が乗るタクシーは、3年前からトヨタ自動車の「プリウス」だ。
ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド車。「信号待ちや客待ちの間はエンジンが
止まり、液化石油ガス(LPG)車よりも燃費がかなりいい」と、小山さんは話す。
燃費はLPG車で1リットルあたり5~6キロ、プリウスはガソリン1リットル当たり17~20キロだという。
11月の燃料価格はLPGが1リットル80円前後、ガソリンは同150円前後だから、燃料代はプリウスの
方が割安だ。
小山さんが所属するタクシー会社「アシスト」(東京都墨田区)は03年以降、100台のプリウスを
購入した。「プリウスに乗りたいという客が増え、売り上げもLPG車より多い」と小山さん。LPG車も
あるが、同社の清沢洋人さん(36)は「やる気のある運転手ほど、プリウスに乗りたがる」と笑う。
「パブリカ」(トヨタ)や「スバル360」(富士重工業)など、日本のモータリゼーションの幕開けを飾った
車の多くは排気量が1リットル以下で、軽量だった。燃費効率が良く、CO2排出量は比較的少なかった。
しかし、エアコンや安全装備などが加わると、車は重くなっていく。80年代のスポーツカーブームや、
90年代以降のミニバンやSUV(スポーツ用多目的車)ブームを経て、大型化が進む。
しかも、国内の自動車保有台数は50年の33万台から、97年には7000万台へと急増。国内の運輸
部門から出るCO2は右肩上がりに増加し、ピークの01年度には2億6800万トンに達した。
ただ、車の平均燃費は、プリウスが発売された97年度から改善に転じた。70年代の石油危機を
きっかけに、各メーカーが燃費改善に取り組んだ成果だ。93年度に販売された車の平均燃費は
ガソリン1リットル当たり12.4キロだったが、06年度には同16.0キロに改善した。
運輸部門のCO2排出量も01年度からは減少に向かう。06年度(速報値)は2億5400万トン。
01年度に比べて約5%減った。
■相次ぐ新技術、コスト高が障害
減ってきたとはいえ、国内のCO2排出量の17%は自動車が排出源だ。低炭素社会に向かうには、
一層の技術革新は欠かせない。
各メーカーは、燃料電池車、電気自動車、ハイブリッド車、クリーンディーゼル車などの「エコカー」の
開発を急いでいる。
走行中にCO2を一切排出しないのは燃料電池車。ホンダが来夏から米国でリース販売する燃料
電池車は最高時速が160キロに達し、ガソリン車に見劣りしない。
電気自動車の開発競争も熱を帯びる。三菱自動車が09年にも市販する方針を打ち出したほか、
富士重工は10年、日産自動車も12年の発売計画を表明している。
ハイブリッド車はすでに国内で36万台が走っている。トヨタは燃費効率をさらに良くするため、家庭用
コンセントから充電できる「プラグインハイブリッド」の走行実験もスタートした。
ガソリン車に比べてCO2の排出量を20%以上減らせる「クリーンディーゼルエンジン」も、日産が
08年秋に発売するSUV「エクストレイル」に搭載される見通しだ。
>>2に続く