07/12/09 11:00:42
鉱物廃油などのリサイクル事業を手掛ける静岡油化工業(静岡市駿河区)は、来年3月から
おからを原料にバイオエタノールの製造を始める。全国的にも珍しい取り組み。2月末には
年間4800リットルの生産が可能な小規模プラントが完成、5年後には約30倍の規模に
拡大する計画。
バイオエタノールは、サトウキビやトウモロコシなどバイオマス資源(生物資源)を発酵させ、
蒸留して得られるアルコール燃料。一般のガソリン車でも3%まで混ぜて燃料とすることで
二酸化炭素(CO2)の排出量を削減できるとして注目されている。長島磯五郎社長は
「製造コストは1リットル当たり100円以内を目標にしたい」と話す。
プラントでは、生のおから320キロとジャガイモの皮が主な廃ポテト226キロを原料に、
一工程(5日間)で100リットルのエタノールが製造できるという。
事業は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO、川崎市幸区)の
2007年度新エネルギー等事業者支援対策事業として採択された。
エタノールの原料として、大豆の搾りかすであるおからも利用可能なことは知られていたが、
大量に集めるシステムが確立されていないことなどから注目されてこなかった。静岡油化は
県内を中心に約50の豆腐製造業者から1日約70トンを回収しており、エタノールの原料
としては十分な量を確保できる。
さらに、県工業技術研究所と共同研究を進め、主原料のおからに炭水化物が多く含まれる
廃ポテトを混ぜることで糖化を促進し、発酵効率を高めた。同研究所食品環境科の
松本豊研究主幹は「今後は製造したエタノールが余剰物とならず、きちんと消費される
システムづくりが課題。税制など法律も含めて、利用を促すための環境整備が必要」と
している。
静岡油化などによると、全国で年間約80万トンのおからが発生するとされているが、
飼料などに利用されるのは一部で、ほとんどは廃棄処分されているという。長島社長は
「おからは貴重な燃料になる。環境保護のためにも、当初は採算を度外視してもやりたい」
と新規事業に挑む。
既に事業化している天ぷら油を原料とするバイオディーゼル燃料(BDF)についても
来年3月にプラントを増設し、生産量を3倍の日産4500リットルに拡大する。
総工費は合わせて約1億3000万円を見込む。
ソースは
URLリンク(www.chunichi.co.jp)
静岡油化工業
URLリンク(www.shizuokayuka.co.jp)