07/12/07 16:21:45
生鮮野菜の輸入量が今年、大幅に減少する。10月までの累計は58万3000トンと
昨年に比べ25%減。このまま推移すれば年間輸入量は72万トン台にとどまり、この
10年で最も少なくなる。中国産の安全性への懸念が深刻で、回復には多少時間がかかる
とみられる。この追い風を、輸入依存度の高い業務・加工需要を奪い返す好機ととらえ、
JA全農を軸に具体的な対策を早急に打ち出してもらいたい。
財務省の貿易統計によると、生鮮野菜の今年の輸入量は10月までの累計で
58万3000トン。今後も急増する気配はないが、仮に11、12月の輸入量が
昨年並みの7万トン前後となったとしても、2007年の輸入量は72万トン台に
とどまる見通し。これは1997年の57万トンに次ぐ少なさだ。輸入の6割を占める
中国産が、上半期は残留農薬基準の強化で、下半期は食品など中国産製品全般の安全性への
懸念の広がりで、それぞれ輸入を減らした。
中国は現在、安全性確立への取り組みを強めている。中でも農産物については、
余剰労働力の吸収や外貨獲得の重要な手段であることから、8月以降中央政府の職員
約150人を各省・直轄市に配置。対日輸出産地の栽培・衛生状況などを現地で確認・指導
するほか、9月からはトレーサビリティー(生産・流通履歴を追跡する仕組み)を導入。
問題が起きた場合には、その産地を対日輸出から排除することで安全性を図る計画だ。
ただ、農産物の安全性を確保する、こうした取り組みが中国で根を下ろすか否かはまだ
分からない。「法治より人治」と言われる中国で、制度の管理・運用が的確に実施できるか
疑問を持つ関係者は少なくないからだ。大手輸入業者は「業務筋からの引き合いは
依然として弱い。中国の動向、今後の輸入実績を見ながら判断しようという業者が多い」と
指摘。年間50万-60万トンの輸入ペースに戻るには、時間がかかるとみられる。
しかし、見逃せないのが、徐々にではあるが対日輸出量を増やしてきたことだ。特に、
主力産品であるネギ、ニンジン、タマネギの10月の実績はいずれも底を脱した感がある。
暖冬気味で推移していながら、ネギは今年最多の輸入量となったほか、ニンジン、タマネギ
も7、8、9月と比べて輸入を増やした。
反転攻勢の足取りが本格化する前に国産産地はやることがある。品目別に産地協議会を作る
などして、業務・加工需要を輸入から奪い返す対策だ。好機はたびたびない。早急な
取り組みを期待したい。
ソースは
URLリンク(www.nougyou-shimbun.ne.jp)
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