07/12/01 23:50:50
販売台数で世界一をうかがうトヨタ自動車が、出遅れていた中国市場で攻勢を強めている。
「高品質」イメージで新富裕層らの支持を獲得。世界2位に成長した自動車市場をめぐり日米欧や
地場メーカーが激しく火花を散らす中でも、急速に存在感を高めつつある。
≪11カ月連続首位≫
中国南部の広州市。真新しいトヨタの販売店では、黄色いスマイルマークのバッジをつけた
若い販売員が笑顔で接客していた。内装の豪華さは日本にあるトヨタの高級ブランド、レクサスの
店を思わせるほど。
販売している中型車「カムリ」は20万元(約300万円)台と高価だが「経済成長を支える30~40代の
新富裕層に人気」(トヨタ幹部)。カムリは「中高級車部門」の販売で他社の車を抑えて11カ月連続で
首位。各社の値引き合戦が激しいが、店は一切の値引きに応じていないという。
自動車専門調査会社フォーイン(名古屋市)によると、トヨタの2003年の乗用車市場のシェアは
わずか2・3%で15位。だが、ここ数年で現地生産を増やし、次々と新型車を投入した結果、07年は
7・7%で4位に浮上する見込みだ。
広東省でアパレル卸売業を営む男性(34)は「中国製の車は安かろう悪かろうの製品とみんな
知っている。品質の良いトヨタ車はあこがれの存在」と話し、高級車「クラウン」の購入を検討中
という。
≪公式スポンサー≫
ライバル各社も負けていない。シェア1位のフォルクスワーゲン(ドイツ)は、中国政府との
強い結び付きを生かし来年の北京五輪の公式スポンサーに認定されたことで勢いに乗る。
一時は低迷した時期もあったが相次ぐ新車投入で復活した。米ゼネラル・モーターズも大消費地・
上海を拠点に販売網を強化している。
日本勢ではホンダが06年9月に広州第2工場を稼働。高級車ブランドの「アキュラ」を富裕層が多い
沿海部を中心に導入するなど幅広い顧客層への浸透を図っている。
「奇瑞汽車」や「吉利汽車」など地場メーカーの台頭も著しい。小型車は2万元(約30万円)程度と
低価格で、車を初めて買う庶民に人気がある。既に100以上の中国メーカーが乱立。生産過剰の
懸念も強まっている。
中国でトヨタ車販売店を運営する豊田通商の幹部は「低価格車の普及は市場のすそ野を広げる。
一度、車に乗った人は必ず質の高い車に買い替える。最後に残るのは品質に優れたメーカーだけ」と
巨大市場での成功に自信をみせた。UBS証券の吉田達生シニアアナリストは「トヨタは中国市場に
グループの総力を結集している。厳しい競争を勝ち抜き上位に定着するだろう」とみている。
(広州 共同)
▽News Source FujiSankei Business i.on the Web 2007年12月01日
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中国・広州市の販売店で、人気のトヨタ「カムリ」を眺める客=11月27日(共同)
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