07/11/07 05:50:47 Gwxnj8sg0 BE:166134454-PLT(12027) ポイント特典
20歳代の若手女性社員は、契約書の個人情報に関する部分で、「秘匿」を「ひじゃく」と
読み上げた。重要事項説明書の最重要部分の音読が義務付けられている契約の場で、
最近、筆者が遭遇した実話である。
この会社は業界では大手で、社内研修をしっかり実施しているという。契約時の顧客対応
は、ロールプレイング形式で声を出して研修したはずだ。それなのに「ひじゃく」と
読んだのは、上司や教育担当者も「ひじゃく」と読んでいたからではなかろうか?
こういう会社の個人情報の保護やセキュリティ対策は怪しいかもしれない。あなたの
会社も、若手に「ひじゃく」と読ませてはいないだろうか?
「ひじゃく」だと思い込んでいた社員は、ある日、社外の人に誤りを指摘されるかもしれ
ない。当人は、恥ずかしい思いで顔を赤らめるだろう。若手なら、「読み間違えて恥を
かきました」と、会社に戻って天真爛漫に報告するかもしれない。
当人にとってはこの程度のミスにしか感じられないだろう。しかし、そういう誤読社員の
いる会社は、笑いごとではすまないはずだ。個人情報の保護やセキュリティをきちん
と実施していない会社ではないかと、顧客や取引先が疑念を抱くからだ。
保険や金融、医療など、センシティブな情報を扱う業務では、疑わしく思われると潜在顧客
を失う。このような商品を選択する際、顧客は、不信感をもった会社をまっさきに
候補から落とす“マイナス査定”で絞るからである。
法も認証も、社員に対して正しい教育・指導を行うことを企業に義務付けている。教育・
指導を行う約束をきちんと果たしていないから誤読社員がいるのかもしれない。
専門部署の何人かのレベルが高いだけではダメだ。社員全体のスキルを底上げして
いかないと実効性が上がらない。
顧客や取引先が、外部から「その会社」の個人情報保護やセキュリティ対策の水準を
見抜くのは難しい。意外にも難読漢字テストは、その会社全体の水準を推し量る
ツールとして使えるかもしれない。
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