07/11/02 10:48:44 KpJa9lL2O
>>368 続き
■成層圏で紫外線による光化学変化を受けるのは、酸素ばかりではない。
▼大気の最も下層にあるのが対流圏で、そのさらに上空に形成されているのが成層圏。
その成層圏においてオゾン層が、太陽の強力な紫外線放射から地上の生物を守ってくれている。
▼『地上の微生物が作り出したメタンは壊れにくいまま成層圏に運ばれて光分解され、水と炭酸ガスに変わる。
この成層圏における水と炭酸ガスが、大気の温度を決めるのに重要な役割を果たしている。』
▼さらには、火山爆発で成層圏まで届いた亜硫酸ガスや、工場や生物が作り出したもののうち水に溶けにくいために成層圏まで運ばれた亜硫酸ガスは、
光化学反応で硫酸ミストと呼ばれるエアロゾルとなる。
▼硫酸ミストとは、有毒な二酸化硫黄が、大気中において微細な浮遊粒子の表面をおおっている水の膜に溶け、
紫外線による光化学反応によってさらに毒性の強い三酸化硫黄となったものである。
いわば「硫酸の霧」ともいえるものだ。
またエアロゾルとは、気体中に固体や液体、もしくは両者が接合した細滴が分散している状態をいう。
▼成層圏にあって地球全体をベールのように覆っている層を「成層圏エアロゾル層」と呼ぶ。
このように見てくると成層圏は、紫外線による光化学反応工場とさえ感じさせられる。まるで化学工場のようだ。
■硫酸ミストによる日除けの薄い膜
▼硫酸ミストは日除けの薄い膜を作り、温室化効果を抑制し気温を下げていた。
排出ガスからの硫黄酸化物除去技術の発達により、CO2だけが排出されるようになってしまった。
CO2の回収処分技術が一般にまで実用化されていない段階で、硫黄酸化物を抑制した。環境技術の発展が皮肉な結果を生んでしまった。
▼ある地域の生態系で、ある生物の数だけを増減すると、天敵がいなくなったりして、その地域の生態系が著しく変化するのと同じ。
■回収したCO2の再利用
◆【化学】二酸化炭素からプラスチック:製造に成功、国家プロジェクトで実用化~5年後をめどに…金沢大学・新田教授ら [07/10/13] スレリンク(bizplus板)
CO2問題の残る課題は、効率的なCO2回収とその保存方法か…。