07/08/19 23:54:07 eot+1wPP0 BE:524082645-PLT(12000) ポイント特典
最高気温40.9度が観測された8月16日、宮崎県立図書館で「5000キロメートルの旅!~ウナギの産卵と回遊の謎~」というテーマで、
ウナギ研究の第一人者である九州大学大学院農学研究院の望岡典隆氏による講演が行われた。
ウナギは「シラスウナギの乱獲」「シラスウナギの生息地の環境悪化」「地球温暖化による環境変化」により危機的な状況にある。
そのため、独立行政法人水産総合研究センターでは、ウナギの人工催熟によるウナギ仔魚の飼育が行われている。
ウナギの人工孵化は、1973年に北海道大学において初めて成功、2003年には三重県の水産総合研究センター養殖研究所が、
完全養殖に世界で初めて成功したと発表した。しかし、人工孵化と孵化直後養殖技術には、莫大な費用がかかり成功率も低い。
「いつも良い卵が得られるとは限らない」「ウナギ仔魚の成長が悪い」「仔魚がいつまでも変態しない」などの理由で、
レプトケファルス型魚類の仔魚飼育技術は確立させるためには、天然のウナギの産卵場の知見が必要ではないかということで、
ウナギの産卵場所を特定する調査研究が続けられている。
ウナギは、「卵→レプトケファルス→シラスウナギ→クロコ→黄ウナギ→銀ウナギ」というライフサイクルを持っている。
産卵場所の南方の海で孵化した仔魚は、レプトケファルスに成長し、北赤道海流、さらに日本沿岸まで黒潮に乗って北上してから、
変態してシラスウナギと呼ばれる稚魚に成長し、河川などの淡水に上って成魚になる。
大西洋においては、1922年、デンマークのヨハネス・シュミット氏によって、サルガッソー海域が産卵場所であることが分っている。
北西太平洋におけるウナギの産卵場所調査は、1950年代から始まった。
当初、琉球海溝近辺で調査が行なわれたが、1967年に台湾海域で5センチメートルのレプトケファルスが見つかったことで、
1970年代は台湾の東海域での調査が行なわれた。
ここではレプトケファルスが発見されなかった。さらに南の海域で調査を行ったところ、1986年に3センチメートルのレプトケファルスが発見された。
より小さいレプトケファルスが見つかったことで、ウナギの産卵場所の特定に希望の光が見えてきた。
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