07/07/24 23:55:05 T4TilObG0 BE:19082922-PLT(12116) ポイント特典
[抜粋]
─ここでは細かく紹介しないが、残念なのは同じ幽霊や物の怪を扱っている
作家のように、プロとして物語を構成し展開していくことができないでいることだろう。
それをいうのは酷としても、表現が「ひぇぇぇ」「うわー」というかつての長嶋茂雄氏張りの
意味不明な擬音語が多く、また登場人物が泣いてばかりいる。
落語でもよく言われるのだが、あまり登場人物が笑って(泣いて)ばかりいると、客(読み手)が
白けてしまうので要注意だ。そのため、正直いって文字面を追い続けるのが辛い。
─ただ、百歩ゆずって評価しえる点もある。まず「コトリバコ」というネーム。
これは言い得て妙だ。「小鳥箱」を連想させるが、本当の字は「子取り」であるという格差ある
洒落が利いている。この話で評価できるのはこの一点のみ。しかも百歩引いて、である。
─それにしても、出雲の神話的印象を利用して、一般的には何となくよくわからないという
イメージをもたれやすい被差別部落を配置しているのが気に食わない。
─こうした印象をもちいてオカルト話を創造するのは勝手にするがいいが、ここで被差別部落を
味付けに使うというのは、まったくもって小ざかしい限りである。島根周辺は解放運動がそう盛り上がった
土地ではないのでそれを逆手に取ったのかもしれないが、以前なら確実に糾弾されていただろう。
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