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「ブルマーはなぜ消えたのか--セクハラと心の傷の文化を問う」
[中嶋聡 著/2007年3月/1365円(税込)/四六判並製・200頁]
私達の少年時代、ごく当たり前だったブルマー。1990年代に入り、それがなぜ消滅したのか。
その謎に迫るために、一冊の本を書きました。
ブルマーの消滅という社会現象を切り口にして、「セクハラ」をはじめ、「禁煙運動」
「インフォームド・コンセント」「心の傷」などの、現代社会に流通するさまざまな概念や潮流について論じていきます。
第1章 ブルマーの思い出--ときめきが絶望に変わるまで、そして本書のプログラム
(1)ときめきの青春時代
私がブルマーというものを意識するようになったのは、小学校4年生の頃だったと記憶する。
私は京都の生まれだが、父の転勤の関係で子供の頃何度も引っ越しをした。
4歳の時東京の世田谷に引っ越し、S小学校で3年まで過ごしたが、4年に上がる春に名古屋のT小学校に転校した。
そこにMさんという可愛い女の子がいた。
それが私が初めて女性というものを意識するようになった時だった。Mさんは勉強もよくできて、
ライバル的存在であったのだが、そのため余計に意識するようになった面もある。
彼女のブルマー姿はまことに可愛く、体育の時間など目がゆかぬ時はなかった。当時のブルマーは
いわゆるちょうちんブルマーで、腰のところでホックで留めるようになっていた。
ブルマー姿にときめきを覚えるのは、Mさんに対してだけではなかった。
教室から外を眺めて、体育の授業を終えて校舎に帰ってくる女子の姿が見えるときや
(位置の関係で教室から校庭を直接眺めることはできなかった)、そうした女子とすれ違うときなど、それだけで
ドキドキしてしまった。ことに、ブルマーが校庭の砂で白く汚れていたりすると、余計に胸の高鳴りを覚えた。
(本文より抜粋)
春風社
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引用元:なかまクリニックHP(著者が院長を勤めるクリニック)
URLリンク(www.nakama-clinic.or.jp)