07/11/13 15:14:05
週明け12日の東京株式市場は、日経平均株価が急落し、昨年7月以来約1年4カ月ぶりに一時1万5000円の大台を割り込んだ。
終値は前週末比386円33銭安の1万5197円09銭となり、8月17日に付けた年初来安値(1万5273円68銭)を更新した。
値下がりは7営業日連続。一方、東京外国為替市場の円相場は、昨年5月以来1年半ぶりに一時1ドル=109円台後半まで円高・ドル安が進んだ。
午後5時現在は前週末比2円36銭円高ドル安の1ドル=110円31~33銭で取引された。
東京株式市場は、サブプライム(高金利型)住宅ローン問題の拡大による前週末の米国株の大幅安と急激な円高進行を受け、
全面安の展開となった。午後には、アジア株の下げや円相場の1ドル=109円台突入を嫌気して下げ幅が拡大。
一時580円超の下げとなり、1万5000円の大台を割り込んだ。
円高による輸出採算の悪化懸念から電機株や自動車株が売られたほか、金融株も軒並み値下がりした。
市場は「米景気に加えて国内景気にも不安感が広がり、悲観一色」(大手証券)という。
外為市場では、欧米金融機関の相次ぐ損失発覚で信用不安が拡大しドル売りが加速。
「流れが反転する材料はなく、当面ドルが売られやすい環境が続く」(大手信託銀行)との声が大勢となっている。
サブプライム住宅ローンショックを発信源とした「負の連鎖」が止まらなくなってきた。
米国株を中心としたドル建てのリスク資産からの資金逃避が、ドル売りによる急激な円高ドル安に加え、
原油などの商品相場の急騰を招き、円高と原材料高が日本経済の牽引(けんいん)役
である輸出企業を直撃するとの懸念から、日本株が売られるという構図だ。
東京株式市場は「売りが売りを呼ぶ悪循環」に陥っており、先行き不安が一段と高まっている。
≪7日で1600円安≫
「サブプライムによる混乱が長期化し、国内景気の下振れリスクも強まってきた」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)
日経平均株価は12日で7営業日続落となり、その間の下落幅は1600円を超えた。
年初来安値を割り込んだことで、下値のめども見えなくなり、市場は悲観一色に染まっている。
この日の大幅安の最大の要因は、円高だ。
ドル・円相場は1週間前の1ドル=114円台から、この日、一気に一時109円台へと突入。
日本経済を牽引する自動車、ハイテクなどの輸出企業の多くは通期の為替レートを1ドル=115円前後と想定しており、
急激な円高で業績の失速は避けられないとの懸念から売りが膨らんだ。
吉越昭二・三菱UFJ証券投資情報部副部長は「株価が1万6000円台を回復するには、
円相場が1ドル=114~115円に戻ることが必要だが、非常に動きが不安定になっている」と懸念する。
サブプライムショックによる世界同時株安で日経平均株価が874円も暴落し、
年初来安値を付けた8月17日も、円高と株安が連鎖した。
このときは円相場が落ち着きを取り戻すと、輸出企業を中心に足元の業績が好調だったことから、株も買い戻された。
10月初旬には1万7000円台まで回復し、7月につけた年初来高値(1万8261円)も視野に入りつつあった。
≪悲観論一色に≫
だが、今回は、1バレル=100ドルが目前となっている原油相場など、原材料高による収益悪化要因も重なっている。
円高だけでなく、原油高もサブプライムショックによる「資金シフト」が原因だ。
8月も欧州金融機関の損失発覚がきっかけとなったが、今回相次いだ米金融機関の損失は巨額で、外部環境は大きく悪化している。
7日続落で失った下げ幅を回復するには、「10~12月期の業績を見極めたいとの雰囲気が強く、
決算が発表される来年1月下旬以降にずれ込む」(大手証券)との見方が大勢だ。
1万8000円台回復には、「来年4月までかかる」(新光証券の高橋幸男マーケットアナリスト)との悲観論は多く、
回復期待は遠のくばかりだ。(若狭弘)
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