07/10/27 18:01:22
ウイルス性肝炎患者に対する国の救済策について、舛添厚生労働相は27日、
治療費の公費助成により、C型肝炎に有効なインターフェロン治療を受ける患者数を
現在の5万人から10万人に倍増させる意向を記者団に表明した。
治療費助成は7年計画で、一般財源から計1000億~2000億円が必要になる
との見通しも示した。具体的な制度の枠組みは、与党プロジェクトチーム(PT、
座長=川崎二郎・元厚労相)が来週中にもまとめる見込みで、その案に沿った
内容になるという。
インターフェロン治療は、C型肝炎の6割程度に効果があるとされ、よく効くタイプなら
9割ほどが完治するとも言われる。しかし、1年前後の治療期間に月約7万~8万円と
高額の費用がかかるため、治療を受けたくても経済的な事情で受けられない患者も多い。
インターフェロン治療について、与党PTは今年9月、治療費を公費助成する方針を
示し、自己負担額をどうするかなど、具体的な助成制度の仕組みについて検討してきた。
舛添厚労相によると、助成策では、患者の所得に応じて自己負担額に段階を設ける
方針。低所得者には自己負担を月1万円程度にとどめて残りの治療費を公費で助成、
一定以上の高所得者には助成しない案が検討されている。必要な予算は年200億円
程度になるとみられ、7年程度の長期的な計画で助成する考えだ。
インターフェロン治療の公費助成策は、民主党も自己負担額を原則月1万円とする
支援策を定めた法案を参院に提出している。
舛添厚労相は「公平で国民が納得できる数字を示す必要がある。与党PTが早ければ
来週いっぱいくらいで案を出すと思うので、それを受け、政府として対応したい」と話した。
C型肝炎ウイルスは血液を介して感染する。血液製剤の投与で感染した薬害肝炎
患者のほか、検査体制が不十分だった時代の輸血などで感染した人もおり、感染者は
全国で150万人以上とされる。
旧ミドリ十字(三菱ウェルファーマを経て田辺三菱製薬)の血液製剤「フィブリノゲン」
などで感染した患者が、全国5か所で薬害肝炎訴訟を起こし、最も審理の進んでいる
大阪訴訟で、大阪高裁が和解を打診している。
ソース 読売新聞
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)