07/09/30 09:36:08
全国の農業共済組合や同組合連合会などが今年3月末時点で、
総額約1600億円もの積立金を抱えていることが会計検査院の調べでわかった。
国が補助金で負担した共済掛け金が半分以上を占めているとみられる。
掛け金は農家には一部戻されるが、国には返還されないため、補助金が組合側でプールされている形だ。
検査院は、始まって60年になる農業共済制度が現状にそぐわなくなっているとみて、農林水産省に改善を指導する方針。
調査対象は、全国207の農業共済組合と、共済事業を行う76市町村、43道府県にある組合連合会。
農業共済は、掛け金の2分の1を農家が、残りを国が補助金で負担して運営。台風や冷害で農作物などが被害を受けた場合に、共済金を農家に支払い、損失を補てんしている。
各組合や連合会は、将来に備え、一定額の剰余金の積み立てを規則で義務づけられている。
現在の基準ではその総額は4百数十億円になるが、検査院が全326団体の積立金を調べたところ、
基準の4倍近い約1600億円に上っていた。
農水省によると、過去最大の共済金が支払われたのは、全国的に農作物などの被害が拡大した1993年の冷害だった。
それでも、組合や連合会が負担した共済金は計約1100億円にとどまった。
しかし、こうした規模の被害は例外的とされる。最も利用者が多い「農作物共済」の場合、
昨年までの過去5年間に組合や連合会が負担した共済金は、約14億4000万~約228億2400万円だった。
現在の制度では、組合側が支出する共済金の上限が決まっており、
それを上回る大規模な被害が出た場合には、国が通常の掛け金とは別に特別会計から支出することになっている。
また、農業災害が3年間ないと、農家に掛け金の半分を上限に払い戻されることになっているが、国に返還する義務はない。
このため、国が支払った掛け金はプールされ、剰余金として積み立てられることになる。
この一部は、被害防止対策費や研究費に使われるほか、預貯金や国債購入などで運用されている。
読売新聞
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