07/09/18 06:07:06
★薬物依存症:「リタリン」で急増 医師の安易処方が原因か
向精神薬「リタリン」を乱用し、依存症などの副作用で入・通院したケースが06年度、
精神科病床を持つ全国の医療施設で15例に上り、2年前の約2倍に急増していることが
国立精神・神経センター(東京都小平市)の調査で分かった。全国にある薬物依存症の
民間リハビリ施設「ダルク」を対象にした毎日新聞のアンケートでも、利用者の1割を超える
166人にリタリンの使用歴があることが判明した。精神医療関係者は「適応症でない場合に
安易に医師が処方し、依存症を増やしている」と指摘している。
センターは2年に1度、薬物依存の実態調査を実施。今回は06年9月~07年3月、
全国1653施設にアンケート用紙を送り、937施設(56.7%)から回答があった。
それによると、主にリタリンを乱用し依存症などで入・通院したのは15例で、
前回の04年度(8例)から倍増。また、覚せい剤やシンナーなど他の薬物との併用による
入・通院も30例あり、前回(19例)から5割以上増えた。
使った理由は▽疲労感や抑うつ気分の軽減▽覚せい効果を求める?▽やせるため--など。
15例のうち、自傷行為や自殺(未遂を含む)が6例あった
入手方法は、11例が「医師からの処方」と答えた。
一方、毎日新聞は全国のダルク31施設(利用者約1000人)にアンケートを実施し、
27施設が回答した。今年8月末現在、13施設で計32人がリタリンの乱用による依存症で
入・通所していた。過去に使用したことのある入所者も134人いた。
「医者の処方だから安全という間違った認識を持ち、依存する人が目立つ」(大阪ダルク)などの
意見があった。
調査した同センターの和田清・薬物依存研究部長は「リタリンは、幻覚・妄想などの強い
副作用が覚せい剤のように高い頻度では出ないため、なかなか実態が表面化しにくい。
入・通院者が1~2人増えただけでも依存者のすそ野は相当に広がっており、事態は深刻だ」
と話している。
毎日新聞 URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)