07/07/11 16:34:36
北九州市小倉北区の独り暮らしの男性(52)が自宅で亡くなり、死後約1カ月たったとみられる状態で
10日に見つかった。男性は昨年末から一時、生活保護を受けていたが、4月に「受給廃止」となっていた。
市によると、福祉事務所の勧めで男性が「働きます」と受給の辞退届を出した。だが、男性が残していた日記には、
そうした対応への不満がつづられ、6月上旬の日付で「おにぎり食べたい」などと空腹や窮状を訴える言葉も
残されていたという。
市などによると、10日、男性宅の異変に気づいた住民らから小倉北福祉事務所を通じて福岡県警
小倉北署に通報があり、駆けつけた署員が部屋の中で、一部ミイラ化した遺体を発見した。目立った外傷は
なく、事件の可能性は低いという。11日にも解剖して死因を調べる。
男性は肝臓を害し、治療のために病院に通っていた。市によると、昨年12月7日、福祉事務所に「病気で
働けない」と生活保護を申請。事務所からは「働けるが、手持ち金がなく、生活も窮迫している」と判断され、
同月26日から生活保護を受けることになった。
だが、今春、事務所が病気の調査をしたうえで男性と面談し、「そろそろ働いてはどうか」などと勧めた。これに
対し男性は「では、働きます」と応じ、生活保護の辞退届を提出。この結果、受給は4月10日付で打ち切られた。
この対応について男性は日記に「働けないのに働けと言われた」などと記していたという。
ところが、その後も男性は働いていない様子だった。1カ月ほど前に男性に会った周辺の住民によると、男性は
やせ細って、「肝硬変になり、内臓にも潰瘍(かいよう)が見つかってつらい」と話していたという。
同市保護課の三崎利彦課長は「辞退届は本人が自発的に出したもの。亡くなったことは非常に残念」と話して
いる。
同市では05年1月、八幡東区で、介護保険の要介護認定を受けていた独り暮らしの男性(当時68)が生活
保護を認められずに孤独死していた。06年5月には門司区で身体障害者の男性(当時56)がミイラ化した遺体で
見つかった。この男性は2回にわたって生活保護を求めたが、申請書すらもらえなかった。
こうした市の対応への批判が高まり、市は今年5月、法律家や有識者らによる生活保護行政の検証委員会を
設置し、改善策を検討している。
ソース
URLリンク(www.asahi.com)