07/06/09 22:00:00
グループ企業へのコムスンの事業譲渡の断念に追い込まれたグッド
ウィル・グループは、人材派遣事業とともに２本柱と位置づける介護事業
の中核企業を失う公算が大きくなった。
株式市場関係者の間では、「将来の業績に与える影響はそれほど
大きくない」（証券アナリスト）との見方が支配的。だが、企業不祥事が
相次ぐなか、コンプライアンス（法令順守）に不備のある企業に対する
市場や取引先企業、消費者の目を厳しさを増しており、本業ともいえる
人材派遣事業にダメージが及ぶ懸念もある。
コムスンを筆頭とする介護・医療支援事業の０６年６月期の売上高は
６３６億円で、グループ全体の約３分の１。営業利益は９億円に過ぎない。
一方で、人材派遣・請負業の売上高は１１４９億円、営業利益は８１億円
に達する。
また、グッドウィルは０６年１１月に技術系人材派遣、製造請負などの
大手、クリスタル（京都市、現グッドウィル・プレミア）を買収。事業規模で
グッドウィルをはるかに上回る相手を買収したことで、０７年６月期の
連結売上高は、０６年の１８５９億円から一気に５０００億円に跳ね上がる。
逆に最終損益はコムスンの不振で持ち株の減損処理を行うため、
３００億円の赤字となる見込みだ。厚生労働省の指示通りにコムスンを
グループ外に売却すれば、「今後、赤字額は減少する」（折口雅博会長）
ことになり、グループの収益性改善に寄与する可能性さえある。
野村証券金融経済研究所の繁村京一郎シニアアナリストは
「労働基準法上の問題でもない限り、グッドウィル本体が破綻（はたん）
するようなことにはならない」と指摘する。
ただ、８日の株式市場でも、同社の株価は３日連続のストップ安となり、
５日の終値の８万１８００円から計２万５０００円も下落し、５万６８００円
まで売り込まれた。繁村氏も「市場全体がコンプライアンス問題に
神経質になっている。底を打つにはまだ時間がかかる」との見方を示す。
「父親の介護を通じ、介護を社会で支えることがいかに大切か分かった」。
８日の会見で、こう語った折口会長。その志とはほど遠い不正が、予想外に
大きなツケとなってグループを直撃する可能性もある。
ソース（フジサンケイ ビジネスアイ）
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グッドウィル・グループの株価推移
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