07/05/20 19:18:03
全国の私立大学で1年間に中途退学した学生は約5万5000人にのぼることが、文部科学省の
外郭団体の調査で分かった。
私立大の中退者数の実態が明らかになったのは初めて。大学全入時代を迎え、各大学による
学生の獲得競争が激しくなっているが、学生がキャンパスを去らないような入学後の支援策も
課題となりそうだ。
私立大の中退者の動向に関心が高まっていることから、「日本私立学校振興・共済事業団
私学経営相談センター」が、昨年実施した2005年度「学校法人基礎調査」に中退に関する項目
を加え、回答をまとめた。
大学院大学などを除く、ほぼすべての私立大550校の中退者は5万5497人。在籍した学生
約193万人の2・9%にあたり、国立大の中退率1・6%(内田千代子・茨城大准教授調べ、
04年度)を上回った。
学年別では、留年などで卒業が困難になった4年生が1万6370人と最も多く、続いて2年生
1万6199人、1年生1万2503人。男女別では、男子が4万945人で全体の7割を占めた。
在校生の1割が中退した大学も4校あった。難関大ほど中退率は低く、小規模で定員割れなど
の問題を抱える大学ほど学生が定着しない傾向があるという。
理由で最も多いのは、「進路変更」(21%)。本意でない大学に入って満足できず、在籍したまま
志望校を目指すケースが増えており、根強いブランド校志向を反映している。「経済的困窮」(19%)
や「就学意欲低下」(14%)も多く、保護者の失業などで家計負担に対応できないケースが目立っている。
同センターの西井泰彦センター長は「学校に満足できないのは、入試段階での不一致やつまずきなど
にも原因がある。どんな学生でも定着できる体制づくりが必要だ」と話している。
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