07/05/07 17:28:27
トヨタ自動車傘下の富士スピードウェイ(静岡県)で開催されるF1日本グランプリ(9月28~
30日)が早くも盛り上がっている。開幕まで5カ月も先というのに旅行会社が発売開始した
観戦ツアーはバカ売れ。あまりの好発進に、「トヨタは何をやらせても商売上手」との声も出ている。
【売り切れ続出】
「(トヨタの)関係者はチケットの売れ行きを心配していましたが、ツアー申し込みが好調
なのでかなり満足げでした」とは旅行会社関係者。
JTB、近畿日本ツーリストなど6つの旅行会社が4月2日に発売開始したオフィシャル観戦
ツアーは、JTBの「富士日本グランプリ観戦ツアー2日間」(7万5800~10万5800円)など
指定席とのセットがほとんど完売。近ツーでも「指定席のランクにもよるが、初日で8割が
埋まり、今はほぼ完売状態」(広報)という。
指定席のチケットは大人1人3万1000~7万1000円で、これを含めたツアー料金は7万~
10万円台と安くはないが「今年の反応は明らかにダッシュ力がある」(先の旅行会社関係者)
そうだ。
【PR上手】
今年は、開催地が三重県の鈴鹿サーキットから富士に移った。関東方面からアクセスし
やすくなったのも好調要因の1つだが、自動車業界に詳しいPR会社幹部は、トヨタの広報
戦略のうまさに注目する。
「トヨタは7年前に富士を三菱地所から買収し、現在約94%の株を保有する大株主。今回の
F1はトヨタが開催するようなもので、失敗は許されない。成功させるためにさまざま“仕込み”
をしている」
例えば、渋滞問題。期間中、28万人(想定数)が来場し、サーキット周辺は大渋滞になる
可能性があるが、「会場に出入りできる車両を専用バスや旅行会社のツアーバスに限定する
など早くから渋滞緩和策を打ち出し、これが話題をさらった」(先のPR会社幹部)。
地域貢献を印象づける方法も一枚上。
「富士でのF1開催が日本全体に与える経済波及効果は約135億円。試算したのは静岡大学
だが、トヨタと富士との共同研究だった。鈴鹿(一説に100億円)を上回る数字をトヨタ側が
前面に出ずに広報するところがうまい」(同)
【商売上手】
このところ、トヨタの商売上手ぶりが目立つ。
まず2005年に開かれた「愛・地球博(愛知万博)」。トヨタのおひざ元での開催や主催団体の
日本国際博覧会協会を同社の名誉会長、豊田章一郎氏が務めたことから“トヨタ博”とも称された。
「万博が珍しい時代ではないため、目標来場者数1500万人の達成が危ぶまれたが、
終わってみれば2200万人を突破。開幕前に800万枚の前売り券が売れ、万博の収支が
数十億円の黒字だったのはトヨタの底力なしには語れない」(自動車アナリスト)
トヨタが大株主で同年2月に開港した中部国際空港(愛知県常滑市)も同じ。万博が終了し、
特需が見込めないなか、07年3月期連結決算では2期連続の黒字を見込む。「トヨタがコスト
削減策を徹底指導した」(同)からだ。
商売上手なトヨタにとって、F1の表彰台に自チームが上がることができれば、言うことなしと
いったところか。
ソース:ZAKZAK
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