07/04/17 20:21:39
住友信託銀行が、海外の相手先との債券取引に絡む追徴課税処分の取り消しを求めた訴訟の
判決が17日、東京地裁であった。大門匡裁判長は、東京国税局の課税処分を取り消し、01年までの
約1年半の取引について追徴した約63億円に還付加算金を含めた計約75億円を支払うよう国に命じた。
課税処分をめぐっては、住友信託が外貨調達のため、保有する債券をいったん海外の取引先に売り、
数カ月後に一定額を上乗せして買い戻す「レポ取引」を実施。東京国税局は売却額以上で買い戻すことを
条件にしていることから、この取引が実態上は貸し借りにあたると認定。上乗せ分は所得税がかかる利子で
源泉徴収漏れがあったと指摘した。
これに対し、大門裁判長は判決で、貸借でなく売買であることを明確にした欧米の標準契約書にならった
契約書を住友信託が作成していた経緯を指摘。この取引は「売買・再売買を複合的な契約で実行する」
もので貸し借りとはみなせないとした。上乗せ分も再売買の保証を得るためのもので利子にはあたらないと
判断した。
再購入を意味するレポ取引は、米連邦準備制度理事会(FRB)が1918年に公開市場操作の手法として
導入。70年代に一般の金融機関に広がった。
住友信託銀行広報室は「主要国でレポ市場の取引に源泉所得税を課している例はなく国際的にみれば
非課税が標準。極めて適切な判決だ」としている。
東京国税局の新谷逸男・国税広報広聴室長は「主張が認められなかったことは大変残念。控訴するか
どうか判決文を検討中」としている。
朝日新聞
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