07/04/09 14:48:33
8日に投開票された統一地方選前半戦。今回も投票締め切り直後から「今、○○候補が
当選確実となりました」との報道が飛び交うなど、テレビ各局の報道は早かった。
その当確速報を裏打ちする最大の根拠が投票日当日、各投票所で実施する「出口調査」だ。
今回の東京都知事選では開票率0%の段階で当確を出すなど報道の過熱ぶりが非難され、
ネット上で「誰に投票しても(報道機関の)出口調査には○○候補と答えよう」との撹乱(かく
らん)を呼び掛ける書き込みも広がっている。
注目の出口調査だが、イザ!編集部・鬼Dは未経験なことが判明。かくして元区長が立候補して
盛り上がる都知事選の足立区の投票所に出口調査を覗いてくるよう、厳命が下された。
(イザ!編集部)
足立区の中心部・北千住駅に着いたのは午前10時。さっそく2005年の解散衆院選で出口
調査が行われたという駅近くの千寿本町小学校に駆けつけた。
有権者が校門を次々とくぐっていく。町内放送で区選挙管理員会の「今日は投票日です」
との連呼もあってか、出足は好調のようだ。が、肝心の出口調査員が、いない…。
校門前で「投票所はこちらで~す」と呼び込みをしている男性に「今回は出口調査、やって
ないんですか?」と訊ねた。すると「前回は小泉さんだったから、朝早くから腕章巻いた調査員の
人たちがいたんだけどねえ。今回は別の投票所に移ったんじゃない」との答え。すぐさま
隣接する千寿小、足立第一中学校、千寿桜小、千住庁舎と回ったが、いない。
区選管に聞くと「出口調査の問い合わせはあり、校門の外で行うよう指導した」との答え。
どこかでやってるはず。このままじゃ、鬼Dに怒られる…。
常磐線の向こう側にある千寿常東小、千寿桜堤中、千寿第八小まで足を伸ばしてみた。でも
発見に至らず。午後には梅島や西新井、綾瀬にまで足を伸ばしてみた。でも、どこにも
いないのだ。一人じゃ回れる投票所も限られるが、それにしても十数カ所に誰もいないとは…。
政治部記者に聞けば判ることだが、「自分の足で現実を見て来い!」が鬼Dの命令。結局、
発見できず、「これであんなに早く当確が打てるのだろうか」というのが素直な感想だった。
報道関係者にこっそり聞いたら、事前の世論調査で「石原氏圧倒的に優勢」と出たため、
調査規模は縮小された可能性もあるとのこと。また各局から依頼を受ける調査会社(東京都
渋谷区)に電話取材したところ、近年導入された携帯電話の通信システム「ワン・クリック・
カウンタ(OCC)」が威力を発揮しているとの耳寄り情報も。
このOCC、ゲームソフトなどで使用されるシステムで、リアルタイム集計に加えてクロス
集計や調査精度を向上させる機能まで付いている。調査員は投票終了者から「誰に投票」
「支持政党」などの内容を聞き、その場で携帯画面に表示された選択肢リストから該当する
選択肢を番号キーかカーソルキーで選択、あとは送信するだけ。通信障害が発生しても
自動的に送信を繰り返してくれるためため、「現場も楽」「集計も楽」という優れたシステムだ。
調査時間も午後6時までで、時間帯で調査対象者にバラつきが出ないよう、3時間単位で
調査時間も変えるとのこと(このため調査員に出会わなかった可能性もある)。そして集計
されたデータをもとに調査会社や各局が分析し、これに事前の調査結果などをふまえ、午後
8時の投票締め切りまでに報道担当者が総合的に大勢が判断する、というのが選挙速報の
仕組みらしい。
ともあれ従来のようにデータを紙で集計する時代ではないのだ。出口調査は進化している。
首尾を報告すると、システム関係にまったく弱い鬼Dはどうやら納得してくれたようす。
それにしてもこの日もテレビ各局の選挙速報は過熱していた。
イザ!
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