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<タミフル>調査対象企業から資金流用 厚労省が黙認
インフルエンザ治療薬「タミフル」の副作用を調査している厚生労働省研究班の2人の班員に、
輸入販売元の中外製薬から研究資金が渡っていた問題で、中外製薬が別の班員の所属機関に提供した
6000万円の寄付金のうち、627万円が研究班の研究費として使われていたことが分かった。
厚労省が30日、発表した。調査対象企業からの資金流用という研究内容の信頼性を揺るがす
重大な信義則違反にもかかわらず、研究班から事前に相談を受けた厚労省の担当部局は黙認していた。
同省は問題を認め、流用分を予算に計上した。
中外製薬からの寄付金を巡っては、同班長の横田俊平・横浜市大教授と班員の森島恒雄・岡山大教授の
各講座にそれぞれ1000万円と600万円の研究資金が渡っていることがすでに判明している。
厚労省によると、この2人に加えて、班員の藤田利治教授が所属する「統計数理研究所」(東京都港区)に対し、
6000万円が寄付されていたことが分かった。厚労省はこの3人を研究班のメンバーから外すことを決めた。
研究班の06年度調査は、対象が約2800人だった05年度調査を拡大、インフルエンザ患者約1万人を対象に、
年齢幅を0~18歳まで広げ、異常言動とタミフル服用との前後関係などを確認。副作用の実態を調査して、
今夏には結論を出す見通しだった。
しかし、厚労省から支給された研究費が400万円しかなく、昨年12月、横田、藤田の両教授と
厚労省安全対策課が話し合い、研究費が不足する場合、中外製薬など製薬企業からの寄付で補うことなどを確認した。
その際、調査対象にかかわる企業からの寄付を流用することに対し、厚労省側から反対意見は出なかったという。
結局、統計数理研究所に中外製薬が寄付した6000万円のうち627万円を、
06年度調査の調査票の印刷・発送経費の不足分として充当した。会見した厚労省医薬食品局の
中澤一隆総務課長は「(中外製薬の寄付を流用した点について)問題があり、対応が十分でなかった。
(流用を結果的に黙認したことは)十分な認識が足りなかった」と謝罪した。
3月30日21時53分
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)