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○六年度の道内の生活保護費不正受給額が過去五年で最高の約六億五千万円に上ったことが道などの調べでわかった。
最近発覚した、滝川市内の夫婦らが生活保護受給者の交通費補助制度を悪用して
同市から介護タクシー料金などをだまし取っていた巨額不正受給のケースは含まれていないが、
それでも○五年度より一億七千万円増えており、給与と保護費を二重取りしようとした例が多かった。
道は滝川市の事件を受け、受領額の多い世帯を重点的に抽出調査する検討に着手した。
不正受給額は、福祉事務所が受給者の納税調査などを進めている効果などから、○二年度以降三年連続で減少していた。
昨年度、不正額が増加した理由について、
道は、函館市の医療法人が医療扶助費約九千八百万円を過大に請求していたケースなど、
「医療扶助費を悪用した不正で増加した可能性がある」(保健福祉部)としている。
道所管分の内訳は、所得がありながら申告しなかったケースが約六割と最も多く、
所得の過少申請と、年金を受給しているのに金額を報告しなかった例がそれぞれ約一割だった。
滝川市の事件では、不正受給額は○六、○七年度で二億円を超えると滝川署はみているが、
道は「滝川の不正受給のように、受給世帯と業者が結託して多額の保護費をだまし取る極端な例は少ない」とし、
介護タクシーをめぐる不正受給も他にほとんど例はないとしている。
不正受給は発覚した年度に統計に計上するため、滝川市の事件の不正受給額は○七年度の統計に入る見通しだ。
道は滝川市の事件を受け、福祉事務所を対象に行っている従来の監査に加え、
受領額の多い世帯を重点的に調べることを検討。
札幌市なども、悪質な場合、警察への被害届提出や告発を迅速に行うよう徹底していく考えだ。
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