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がん予防のためには、野菜を食べるだけでは安心できない―。世界がん研究基金
(本部・ロンドン)が公表した報告書で、こんな評価が出た。10年前にまとめた最初の
報告書では、野菜の摂取は肺など5種のがんについて「確実にリスクを下げる」と5段階で
最も高く評価されたが、今回は急落。胃などについて、「恐らく確実にリスクを下げる」と
されるにとどまった。代わって浮上したのは「適正体重の維持」だった。
97年の初版は各国のがん対策に反映されており、今回の報告書も影響を与えそうだ。
報告書は、生活習慣とがんに関する研究のうち、この10年間に発表された3000件を
加えた計7000件を解析。野菜、肉、アルコールの摂取や運動などが、がんにかかる
危険性と関係する程度を、5段階で評価した。
10年で最も大きく変わったのが野菜への評価。初版で野菜が「リスクを確実に下げる」
とされたがんは、口腔(こうくう)、食道、肺、胃、大腸。「恐らく確実に下げる」が喉頭
(こうとう)、膵臓(すいぞう)、乳房、膀胱(ぼうこう)。多くのがんの予防につながるとされた。
それが今回、「確実に下げる」はゼロ。「恐らく確実」も口腔・咽頭(いんとう)・喉頭、食道、
胃の各がんにとどまった。
果実も似た傾向。前回は8種のがんにかかる危険性を「確実」「恐らく確実」に下げると
された。今回は、胃など4種のがんの危険性を下げるのが「恐らく確実」だった。
代わりに危険因子として浮かび上がったのが「肥満」(日本では体格指数=BMI25以上)
で、食道、膵臓、大腸、乳房(閉経後)、子宮体部、腎臓の各がんで「リスクを確実に上げる」
とされた。
ただ、一般的には野菜を多く食べ、運動することで「肥満」を防げるとされる。
ソース(朝日新聞) URLリンク(rss.asahi.com)