07/11/19 22:59:44 qKZ71Gfh0
「ほら、マサオ、おみやげだよ」
吉兆でパートを始めるようになってから、カーチャンはちょくちょく美味しいモノを
買ってきてくれる。僕は特に黒豆プリンが好きだった。
「マサオ、黒豆は体に良いんだよ。元気になるよ」
「うん、体に良いし美味しいね。吉兆でパートして良かったね」
「そうさ、吉兆は一流だからね」
カーチャンは嬉しそうに笑った。
ある夜、いつもより遅く帰ってきたカーチャンが、台所で泣いていた。
「私は偽装なんてしてない、してない」何度も何度も繰り返していた。
僕はどうしていいか分からなくなって、冷蔵庫にしまっておいた黒豆プリンを
カーチャンに差し出した。「元気になるよ」
カーチャンは大きな声で泣いた。「ゴメンね、カーチャン、馬鹿で。ゴメンね」
わあわあ泣き崩れるカーチャンと一緒に、僕も泣いた。大好きな黒豆プリンを
手に持ったまま、泣いた。
J( 'ー`)し
( )\('∀`)
|| (_ _)ヾ
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