07/11/16 14:03:06 lBy2km2H0
竹山が珍しく電話を架けて来た。後輩芸人たちと飲み会のようだ。
にぎやかな声が後ろから聞こえてくる。
声を聞くのは久しぶりだった。少し酔っている声だ。
取りとめも無い話をしたあと、思い切って告げた。
「竹山、もう結婚だろ?幸せになれよ、おめでとう」
「え、アレはお前、お前も知ってのとおり記者会見の綾だし~|、
そりゃ籍は入れるつもりですけれど、まだ先まだ先、あはははは」
「でも、竹山、 -―幸せになれよ、ありがとう・・さよなら」
四十九日が過ぎたら、いずれ言おうと思っていたのだ。
いつかは言わなければならないことだった。
俺は竹山を一生幸せにできっこない、そんなこと最初から解っていた。
でも竹山が優しいから、キスしてくれたから、
いっしょに笑ってくれたから、
そばにいてくれたから、ぬくもりを分けてくれたから、
うれしくて、うれしくて、つい甘えてしまった、それだけなんだ。
竹山は俺にたくさんの幸せをくれた。今度は竹山が幸せになる時が来たのだ。
竹山が結婚して幸せになれば、それでいいんだ、それで、いいんだ・・・。
すぐまた携帯が架かってきた。でも俺は電源を切ってしまった。
部屋に竹山の置いていったタバコが残っていた。
一人ぼっちになった自分に改めて気が付き、そして
竹山が好きで好きでどうしようもない自分にも気が付き、ふと涙がこぼれた。