07/11/13 02:45:55 0
ヒトには他の哺乳類に見られるような明確な繁殖期はないが、月別の流産率を調べるとその
名残りとも取れる季節性の変動があることが、約2500人の自然妊娠を追跡した調査で分かった。
藤田保健衛生大・第二教育病院産婦人科教授の中沢和美氏が、第14回日本時間生物学会
学術大会で発表した。
中沢氏らは、2004年から2006年の3年間に、けいゆう病院(横浜市西区)に来院した自然妊娠の
妊婦約2500人を対象に、その後の流産数を調べ、最終月経別妊娠数に対する割合を月ごとに
比較検討した。
その結果、10月と11月に最終月経があった女性の流産率が7%と、他の月(16~22%)の半分
以下となり、有意に低い結果となった(図1)。この結果から「ヒトの生殖機能は10~11月にベスト
となる」と結論付けた。
なお、中沢氏らが流産率を調査したのは、月別の「妊娠率」をバイアスを除いて調べることが困難
であり、「生殖機能の差はホルモン環境および卵子・精子の質の差を表し、それは流産率の低下
に表現される」と考えたことによる。
ヒトの流産率は、成書では10~15%とされているが、これは年平均の値であり、実際は季節ごと
に変動があることになる。ちなみに、ニホンザルは10~12月に妊娠し、他の月にはほとんど妊娠
しない。中沢氏は、「ヒトもニホンザルと同様の体質を受け継いでいるかのようだ」としている。
「産婦人科医の間では、11月や12月になると不妊治療が成功し、1月になると急に不調になると
いう感触が漠然と語られていたが、それが裏付けられた格好」と中沢氏。「不妊治療に携わる
医師は、10月と11月がベストシーズンであることを知っておいた方がいいかもしれない」と語って
いる。
(最終月経別の流産率グラフ)
URLリンク(medical.nikkeibp.co.jp)
日経メディカル:URLリンク(medical.nikkeibp.co.jp)
(無料登録要)